スパイロメトリーで計測できないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
スパイロメトリーは、呼気努力によって肺から排出できる空気の量を測定する機器です。そのため、肺内に常に残る空気の量である残気量 (RV) を含んだ肺気量分画(機能的残気量 (FRC) や全肺気量 (TLC) など)は直接測定できません。機能的残気量は安静呼気位で肺内に残る空気の量であり、残気量を含むため、スパイロメトリーで直接計測することは不可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. 1秒量は、努力性肺活量測定中に最初の1秒間に吐き出せる空気の量であり、スパイロメトリーで直接計測可能です。正しくは:スパイロメトリーで直接計測できます。選びやすい理由:肺活量計で測定するイメージがあるので、測定可能と誤認しやすい。混同注意:努力性肺活量 (FVC) と1秒量 (FEV1) の関係と、残気量などの測定不能な項目との区別。
- 2. 予備吸気量は、安静吸気位からさらに最大に吸い込める空気の量で、スパイロメトリーで直接計測可能です。正しくは:スパイロメトリーで直接計測できます。選びやすい理由:「予備」という言葉から、特別な測定が必要だと考えるかもしれませんが、安静呼吸から最大吸気までの一連の流れで測定可能です。混同注意:残気量や機能的残気量など、直接測定できない肺気量との混同。
- 3. 1回換気量は、安静呼吸時に1回で吸入・呼出される空気の量で、スパイロメトリーで直接計測可能です。正しくは:スパイロメトリーで直接計測できます。選びやすい理由:最も基本的な呼吸の量であり、測定可能であることを知っているため、誤答として選びにくいです。混同注意:様々な肺気量の定義と測定方法の区別。
- 4. 最大吸気量は、安静呼気位から最大に吸い込める空気の量であり、スパイロメトリーで直接計測可能です。これは1回換気量と予備吸気量の合計に相当します。正しくは:スパイロメトリーで直接計測できます。選びやすい理由:「最大」という表現から、特別な測定が必要だと感じるかもしれませんが、吸気曲線を延長することで測定可能です。混同注意:最大吸気量と全肺気量(TLC)との違い。TLCは残気量を含むためスパイロメトリーでは直接測定できない。
- 5. 正解。機能的残気量 (FRC) は、安静呼気位で肺内に残っている空気の量であり、残気量 (RV) を含みます。残気量は、通常の呼気努力では肺から排出できない空気の量のため、スパイロメトリーでは直接測定できません。FRCを測定するには、ヘリウム希釈法や体プレチスモグラフィーなどの特殊な方法が必要です。選びやすい理由:肺気量分画の概念は複雑であり、どの項目が直接測定可能か混同しやすい。特に「残気」という言葉が含まれる項目は、その特徴から直接測定が難しいと推測しやすいが、他の選択肢との比較で確信を持てない場合がある。混同注意:全肺気量 (TLC) や残気量 (RV) との混同。これらもスパイロメトリーでは直接測定できません。肺活量 (VC) や1回換気量 (TV) など、直接測定可能な項目との明確な区別。
国試ポイント
スパイロメトリーで測定可能な肺気量と不可能な肺気量の区別を問う問題は頻出です。特に、残気量(RV)、機能的残気量(FRC)、全肺気量(TLC)はスパイロメトリーでは直接測定できないことを理解しているかが問われます。
混同注意
肺活量、1秒量、1回換気量、予備吸気量、最大吸気量など、直接測定可能な肺気量分画と、残気量、機能的残気量、全肺気量など、直接測定不可能な肺気量分画の混同。
次に同じ論点が出たら
次に類似の論点が出題された場合、各肺気量分画の定義、それらがどの肺疾患(閉塞性、拘束性)で増減するか、そしてそれぞれの測定方法(スパイロメトリー、特殊検査)まで関連付けて理解できているかを確認します。
関連知識
スパイロメトリーで測定できる項目:1回換気量 (TV)、予備吸気量 (IRV)、予備呼気量 (ERV)、肺活量 (VC)、努力性肺活量 (FVC)、1秒量 (FEV1)。 スパイロメトリーで測定できない項目(残気量を含むため):残気量 (RV)、機能的残気量 (FRC = ERV + RV)、全肺気量 (TLC = VC + RV)。これらの測定には、ヘリウム希釈法、窒素洗い出し法、体プレチスモグラフィーなどの特殊な検査が必要です。