認知症の周辺症状はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
認知症の症状は、脳の病変によって直接引き起こされる「中核症状」と、中核症状に本人の性格、生活環境、身体状況などが複雑に絡み合って生じる「行動・心理症状(BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)」に大別されます。選択肢3の夜間の徘徊は、不安、焦燥感、見当識障害などが原因で生じるBPSDの典型例です。他の選択肢はすべて記憶障害、見当識障害、失行、失語などの「中核症状」に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. これは見当識障害の一部であり、認知機能の中核症状に分類されます。認知症により時間・場所・人物の認識が困難になる症状です。正しくは:行動・心理症状(BPSD)に該当するものではありません。選びやすい理由:認知症の症状であることは確かなため、混同しやすいです。混同注意:中核症状(記憶障害、見当識障害、失語、失行、失認、遂行機能障害など)と周辺症状(BPSD)の違い。
- 2. これは遂行機能障害や失行(目的のある運動ができない)の一部として、認知機能の中核症状に分類されます。新しいことを覚えたり、順序立てて行動したりする能力の低下です。正しくは:行動・心理症状(BPSD)に該当するものではありません。選びやすい理由:日常生活に支障をきたす症状であるため、周辺症状と捉えられやすいです。混同注意:中核症状(失行、遂行機能障害)と周辺症状(BPSD)の違い。
- 3. 正解。徘徊は、認知症患者によく見られる行動・心理症状(BPSD)の一つです。不安、焦燥、目的喪失などが背景にあり、不眠や昼夜逆転と関連して夜間に顕著になることがあります。
- 4. これは記銘力障害(新しい情報を記憶できない)の一種であり、認知症の中核症状の代表例です。記憶力の低下が認知症の主な特徴です。正しくは:行動・心理症状(BPSD)に該当するものではありません。選びやすい理由:認知症の最も一般的な症状であるため、認知症全体を指すものと捉えられやすいです。混同注意:中核症状(記憶障害)と周辺症状(BPSD)の違い。
- 5. これは失語(特に呼称失語)の一部であり、認知機能の中核症状に分類されます。言語機能の障害により、物品の名前が思い出せない、話せないといった症状です。正しくは:行動・心理症状(BPSD)に該当するものではありません。選びやすい理由:コミュニケーションの困難は精神的なストレスにつながりやすいため、周辺症状と誤解されやすいです。混同注意:中核症状(失語)と周辺症状(BPSD)の違い。
国試ポイント
認知症の症状を「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」に正確に分類できるかどうかが問われる定番問題です。それぞれの具体的な症状を理解している必要があります。
混同注意
「認知機能の低下」と「それによって引き起こされる行動・心理面の変化」の区別。特に、中核症状の結果としてBPSDが現れるケースが多いため、両者の因果関係と分類を明確に理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、BPSDの具体的な症状の理解に加え、BPSDを引き起こす要因(身体的要因、環境的要因、心理的要因など)や、BPSDへの対応方法(非薬物療法、薬物療法)についても知識が問われる可能性があります。
関連知識
中核症状の具体例:記憶障害(新しいことが覚えられない、古いことも忘れる)、見当識障害(日時・場所・人が分からない)、遂行機能障害(計画を立てて行動できない)、失語(言葉が出ない、理解できない)、失行(指示された動作ができない)、失認(物が何か分からない)。 BPSDの具体例:徘徊、妄想(物盗られ妄想など)、幻覚、抑うつ、不安、焦燥、易怒性、攻撃性、不眠、昼夜逆転、異食、せん妄など。