成人に対する一次救命措置で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
成人に対する一次救命処置(BLS)における人工呼吸では、過剰な送気は合併症のリスクを高めるため避けるべきです。適切な送気量は、傷病者の胸部が軽く盛り上がる程度とされています。これは、肺に必要な酸素を供給しつつ、胃の膨満や吐物吸引のリスクを最小限に抑えるための重要なポイントです。
選択肢ごとの解説
- 1. 一次救命処置の初期段階では、呼吸の有無を確認しますが、正確な呼吸数の測定は優先されません。呼吸がないか、異常な呼吸であればすぐに胸骨圧迫を開始します。正しくは:呼吸の有無を確認する。選びやすい理由:呼吸の確認は重要なので、測定することも正しいように思える。混同注意:詳細なバイタルサイン測定と、BLSにおける呼吸確認の区別。
- 2. 人工呼吸は連続して行うものではなく、胸骨圧迫と組み合わせて行います。成人に対するBLSでは、通常「胸骨圧迫30回に人工呼吸2回」のサイクルを繰り返します。また、10回以上続けて行うことは推奨されません。正しくは:胸骨圧迫30回に対し、人工呼吸2回を行うサイクルで実施する。選びやすい理由:人工呼吸の重要性を強調しているため、回数を多くすれば良いと誤解する。混同注意:人工呼吸の頻度と胸骨圧迫との比率。
- 3. 成人に対する胸骨圧迫は、毎分100回から120回の速い頻度で実施することが推奨されています。毎分10回では圧倒的に少なすぎ、効果的な血流維持にはつながりません。正しくは:胸骨圧迫は毎分100回から120回の頻度で行う。選びやすい理由:心臓を圧迫することから、ゆっくり確実にというイメージを持つかもしれない。混同注意:胸骨圧迫の頻度と、人工呼吸の頻度。
- 4. 正解。人工呼吸の際は、過度な送気は避けるべきです。胸部が軽く上昇する程度の量で十分であり、これにより胃への送気や合併症のリスクを減らし、肺に適切な換気を供給できます。混同注意:過剰な送気と適切な送気量の区別。
- 5. 成人に対する胸骨圧迫は、胸郭が約5cm以上、しかし6cmを超えない深さで圧迫することが推奨されています。1cmでは不十分であり、効果的な心拍出量を得られません。正しくは:胸骨圧迫は、胸郭が約5cm以上、6cmを超えない深さで圧迫する。選びやすい理由:圧迫しすぎると危険という意識から、控えめな圧迫を選ぶかもしれない。混同注意:胸骨圧迫の深さと、小児や乳児の胸骨圧迫の深さ。
国試ポイント
一次救命処置(BLS)の各手技(胸骨圧迫、人工呼吸)における具体的な実施方法(頻度、深さ、量など)の正確な知識が問われています。特に、成人・小児・乳児での違いや、適切な手技の定量的な基準を理解しているかが重要です。
混同注意
胸骨圧迫の頻度と深さ、人工呼吸の回数と送気量、そしてこれらの数値が成人、小児、乳児で異なる点。また、心肺蘇生法のガイドラインは定期的に更新されるため、最新の情報を把握しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、胸骨圧迫の具体的な頻度(100-120回/分)と深さ(5-6cm)、人工呼吸の回数(30:2の比率)、小児・乳児におけるBLSの手順の相違点について問われる可能性が高いでしょう。
関連知識
BLSのアルゴリズム(反応の確認、応援要請・AED依頼、呼吸の確認、胸骨圧迫開始、人工呼吸の実施)、AEDの使用方法、異物除去法。