肝炎について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウイルス(HBV)感染を予防するための効果的な手段であり、母子感染予防や医療従事者への接種など幅広く利用されています。これにより、劇症肝炎や慢性肝炎、さらには肝がんへの進展リスクを大幅に減少させることが可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. A型肝炎は慢性化せず、急性肝炎として治癒します。慢性化するのは主にB型肝炎やC型肝炎です。正しくは:A型肝炎は慢性化することはありません。選びやすい理由:肝炎の種類によっては慢性化するものがあるため、数字だけに着目すると見過ごしやすいかもしれません。混同注意:B型肝炎やC型肝炎の慢性化率と混同しやすいです。
- 2. 正解。B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウイルス(HBV)への感染を強力に予防し、劇症肝炎や慢性肝炎、肝硬変、肝がんへの進展を防ぐ効果があります。選びやすい理由:この選択肢は事実であり、B型肝炎予防の重要な手段です。混同注意:他の肝炎ウイルス(A型、C型など)のワクチン状況と混同する可能性もありますが、B型肝炎ワクチンは確立されています。
- 3. C型肝炎ウイルス(HCV)キャリアの診断には、HCV抗体とHCV-RNAの検出が重要です。HCV抗原は診断指標の一つですが、キャリアの定義としてHCV抗原陽性のみを挙げるのは不正確です。特にHCV-RNAの持続的な検出がキャリア診断に不可欠です。正しくは:C型肝炎ウイルスのキャリアは、HCV抗体陽性かつHCV-RNA陽性を示します。選びやすい理由:抗原が陽性であることは感染を示すため、キャリアの指標の一つと考えがちですが、キャリアの確定にはHCV-RNAの持続陽性がより重要です。混同注意:HCV抗体とHCV-RNA、HCV抗原それぞれの診断上の意味合いと混同しやすいです。
- 4. 日本では、慢性肝炎の原因ウイルスとして最も多いのはC型肝炎ウイルスです。ただし、近年はB型肝炎ウイルスの割合も増加傾向にあります。正しくは:慢性肝炎を引き起こすウイルスで最も一般的なのはC型肝炎ウイルスです(日本では)。選びやすい理由:B型肝炎も慢性化する主要な原因であるため、最も多いと誤解しやすいです。混同注意:B型肝炎とC型肝炎の有病率や慢性化率、日本と世界の違いを混同しやすいです。
- 5. 慢性肝炎の患者さんでも、病状が安定していれば適度な運動は推奨されます。ただし、急性増悪期には運動制限が必要ですが、その時期を過ぎれば個々の状態に応じて運動療法を取り入れることが一般的です。過度な運動は避けるべきですが、一律に継続的な運動制限を課すのは不適切です。正しくは:慢性肝炎の患者さんは、急性増悪期を過ぎて病状が安定していれば、個々の状態に応じて適度な運動を行うことが推奨されます。選びやすい理由:肝炎が肝臓に負担をかける病気であるため、常に安静が必要だと考えやすいです。特に急性期の指導が頭に残っていると間違えやすいです。混同注意:急性期と慢性期の運動制限の適用、および運動療法の原則と混同しやすいです。
国試ポイント
肝炎の種類ごとの特徴(慢性化の有無、主な感染経路、ワクチン、診断マーカー、疫学)、および各病期における治療・管理(特に運動療法)に関する基本的な知識が問われています。特に、A型肝炎の慢性化の有無、B型肝炎ワクチンの有効性、C型肝炎キャリアの診断基準、日本における慢性肝炎の主要原因ウイルス、慢性肝炎の運動制限の適応などがポイントです。
混同注意
各肝炎ウイルスの感染様式、診断マーカー、慢性化の有無、および治療・管理(特に運動療法)における急性期と慢性期の違いを混同しやすいです。また、日本と世界での疫学的な違いも出題されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
今後、肝炎の問題が出題された場合、各肝炎ウイルスのワクチン接種の有無、治療薬の進歩(特にC型肝炎)、診断における最新のマーカー、および肝炎から肝硬変・肝がんへの進展メカニズムやその予防策に関する知識が問われる可能性があります。
関連知識
A型肝炎は経口感染で慢性化しない。B型肝炎は血液・体液感染で慢性化することがあり、ワクチンがある。C型肝炎も血液・体液感染で慢性化しやすく、特異的治療薬がある。診断には各ウイルスの抗原・抗体・核酸(RNA/DNA)が用いられる。肝炎の病期(急性期、慢性期、急性増悪期)に応じた運動負荷の原則。