自律神経系の機能をもつのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
迷走神経(第X脳神経)は副交感神経系の主要な神経であり、心臓、肺、消化管、肝臓、膵臓など、胸部および腹部の多くの内臓器官の機能を調節します。これにより、心拍数の低下、消化活動の促進、気管支の収縮といった自律神経的な反応を引き起こします。他の選択肢の脳神経は、主に感覚(視覚)や運動(眼球運動、咀嚼、舌運動)を司り、自律神経系の直接的な機能は持ちません。
選択肢ごとの解説
- 1. 視神経は感覚神経であり、視覚情報を脳に伝達する役割を持ちます。自律神経系の機能はありません。正しくは:視神経は視覚を司る感覚神経である。選びやすい理由:脳神経はどれも重要な機能を持つため、なんとなく選びたくなるかもしれません。混同注意:他の運動神経や感覚神経と混同しやすい。
- 2. 滑車神経は運動神経であり、上斜筋の運動(眼球運動)を支配します。自律神経系の機能はありません。正しくは:滑車神経は上斜筋を支配する運動神経である。選びやすい理由:眼球運動に関わるため、反射的な動きと捉え、自律神経と誤解する可能性があります。混同注意:他の眼球運動に関わる脳神経(動眼神経、外転神経)や、自律神経系による瞳孔反射などと混同しやすい。
- 3. 三叉神経は顔面の感覚と咀嚼筋の運動を支配する混合神経です。自律神経系の直接的な機能は持ちません。正しくは:三叉神経は顔面の感覚と咀嚼筋の運動を支配する。選びやすい理由:顔面の広い範囲を支配するため、自律神経系と関連が深いと誤解する可能性があります。混同注意:顔面神経や舌咽神経など、他の混合神経と混同しやすい。また、自律神経節が三叉神経の枝に沿って分布するため、間接的な関連を直接的な機能と誤解しやすい。
- 4. 正解。迷走神経は副交感神経の主幹であり、心臓、肺、消化管などの内臓機能の多くを支配する自律神経です。消化、心拍数、呼吸などを調節します。正しくは:迷走神経は副交感神経の主要な脳神経であり、多くの内臓機能を支配する。選びやすい理由:脳神経の中でも内臓機能に深く関わることを知っていれば、迷わず選択できます。混同注意:他の脳神経が持つ内臓感覚や一部の反射機能と混同しやすい。
- 5. 舌下神経は運動神経であり、舌の筋肉の運動を支配します。自律神経系の機能はありません。正しくは:舌下神経は舌の運動を司る運動神経である。選びやすい理由:舌の動きは嚥下など、無意識の動作にも関わるため、自律神経と誤解する可能性があります。混同注意:舌咽神経や顔面神経など、他の嚥下や味覚に関わる脳神経と混同しやすい。
国試ポイント
脳神経の機能、特に自律神経系の関与について正確な知識が問われます。迷走神経は自律神経系、特に副交感神経系の代表的な脳神経として頻繁に出題されます。
混同注意
自律神経系の機能を持つ脳神経は、動眼神経(瞳孔括約筋、毛様体筋)、顔面神経(涙腺、唾液腺)、舌咽神経(耳下腺)、迷走神経(胸腹部内臓)の4つです。これらとそれ以外の運動神経・感覚神経・混合神経の区別が曖昧だと誤答しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の自律神経成分を含む脳神経(動眼神経、顔面神経、舌咽神経)も選択肢として考慮される可能性があります。また、それぞれの神経が支配する具体的な臓器や機能についても問われる可能性が高いです。
関連知識
脳神経は全部で12対あり、それぞれ固有の機能(感覚、運動、自律神経)を持っています。これらのうち、自律神経成分を含むものは動眼神経(Ⅲ)、顔面神経(Ⅶ)、舌咽神経(Ⅸ)、迷走神経(Ⅹ)の4つです。動眼神経は瞳孔括約筋と毛様体筋、顔面神経は涙腺と顎下腺・舌下腺、舌咽神経は耳下腺、迷走神経は胸腹部の内臓全般を支配します。