Down症候群の子どもの運動発達の特徴で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ダウン症候群児は筋緊張が低く、関節の弛緩性があるため、早期の移動手段として座位で尻をずって進むシャフリング移動(尻這い)がしばしば観察されます。これは彼らの運動発達の特性をよく表す行動です。
選択肢ごとの解説
- 1. 後弓反張はアテトーゼ型脳性麻痺などで見られることがありますが、ダウン症候群の典型的な特徴ではありません。正しくは:後弓反張は、ダウン症候群の運動発達の特徴としては適切ではありません。選びやすい理由:特異な姿勢や運動パターンが多いため、これもその一つと誤解されやすい。混同注意:脳性麻痺の姿勢異常と混同しやすいです。
- 2. はさみ脚歩行は痙直型脳性麻痺(特に両麻痺)に特徴的な歩行様式であり、ダウン症候群の運動発達の特徴ではありません。正しくは:はさみ脚歩行は、ダウン症候群の運動発達の特徴としては適切ではありません。選びやすい理由:歩行障害があるため、何らかの異常歩行を示すと考えやすい。混同注意:痙直型脳性麻痺の歩行と混同しやすいです。
- 3. ダウン症候群児は筋緊張が低く関節弛緩性があるため、スカーフ徴候は陽性を示すことが多いです(上肢が容易に反対側へ回る)。正しくは:スカーフ徴候は陽性であることが多いです。選びやすい理由:徴候の名前だけを聞くと、正常な状態を表すかのように聞こえ、判断が難しい。混同注意:原始反射やその他の発達検査の評価基準と混同しやすいです。乳児の筋緊張評価の一つであり、陽性は筋緊張低下を示唆します。
- 4. 正解。ダウン症候群児は筋緊張が低く、股関節や膝関節の伸展力が弱いため、座位で尻をずって移動するシャフリング(シャフリング移動、尻這い)が見られることがあります。これは歩行獲得前の移動手段の一つとして認識されています。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:一般的な乳幼児の移動様式としてはあまり知られていないため、誤答と考えがち。混同注意:ハイハイ(四つ這い)と混同しやすいかもしれませんが、シャフリングは座位のままでの移動です。
- 5. ダウン症候群児は筋緊張が低く、原始反射の出現期間が延長したり、統合が遅延したりすることはありますが、緊張性迷路反射が亢進するというよりは、むしろ全体的な筋緊張の低下が特徴です。正しくは:緊張性迷路反射の亢進は、ダウン症候群の典型的な特徴ではありません。むしろ筋緊張低下が特徴です。選びやすい理由:原始反射の異常が発達遅延児に見られることから、亢進していると誤解されやすい。混同注意:原始反射の残存や統合不全と混同しやすいです。また、他の疾患(例:脳性麻痺)での反射異常と混同されやすいです。
国試ポイント
この問題は、ダウン症候群児の運動発達における特徴的な側面を問うものです。特に筋緊張の低下が、どのような具体的な運動パターンとして現れるかを理解しているかが試されます。他の選択肢は、脳性麻痺などの異なる発達障害の特徴と混同を誘う形で提示されており、疾患ごとの特徴を正確に把握している必要があります。
混同注意
ダウン症候群の運動発達の特徴(筋緊張低下、関節弛緩性)と、他の発達障害(例:脳性麻痺)の運動発達の特徴(痙直、アテトーゼ)が混同されやすい。特に原始反射の亢進/残存や異常姿勢、異常歩行のそれぞれがどの疾患に特徴的であるかを正確に覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、ダウン症候群児の運動発達遅滞の具体的な理由(例:筋緊張低下、関節弛緩性、平衡反応の未熟さ)や、それらがどのような運動パターン(例:シャフリング移動、歩行開始の遅れ、特異な歩容)に繋がるかを詳細に問う問題や、ダウン症候群児に特異的なリハビリテーション介入の考え方を問う問題が出題される可能性があります。また、他の発達障害(脳性麻痺、自閉スペクトラム症など)との鑑別点について、運動発達や原始反射の観点から問われることも考えられます。
関連知識
ダウン症候群の主な特徴:21トリソミー。筋緊張低下、関節弛緩性、顔貌の特徴(扁平な顔面、つり上がった目、舌突出など)、心疾患の合併、知的発達遅滞。運動発達では、定頸、お座り、ハイハイ、歩行などの獲得が遅延する。シャフリング移動は、筋力やバランス能力の未熟さから四つ這い移行が難しい場合に代償的に見られることがある。