肩甲骨の運動とそれに作用する筋の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では2・4のいずれも正解とされています。 鎖骨下筋は鎖骨を下制させることで肩甲骨の下制にも寄与します。菱形筋は肩甲骨を脊柱に引き寄せる(内転)作用があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 小胸筋の主な作用は肩甲骨の下制、下方回旋、前傾(外転)です。挙上には関与しません。正しくは:挙上 - 僧帽筋上部線維、肩甲挙筋選びやすい理由:肩甲骨に付着する筋であるため、肩甲骨の動きに関わることは正しいですが、具体的な作用を混同しやすいです。混同注意:大胸筋との混同や、付着部から予測される作用の誤解。
- 2. 正解。鎖骨下筋は鎖骨を下方へ引き下げる(下制)作用があり、これにより肩甲帯全体の下制に寄与します。選びやすい理由:鎖骨下筋は鎖骨に直接作用するため、肩甲骨の動きと関連づけにくいと感じるかもしれませんが、肩甲骨と鎖骨は肩鎖関節と胸鎖関節で連結しているため、鎖骨の動きは肩甲骨の動きに大きく影響します。特に鎖骨下筋は鎖骨を安定させ、下制させることで間接的に肩甲骨の下制を助けます。
- 3. 僧帽筋の主な作用は肩甲骨の挙上、下制、内転、上方回旋です。外転作用はありません。正しくは:外転 - 前鋸筋選びやすい理由:僧帽筋は非常に大きな筋肉で多くの肩甲骨運動に関わるため、外転も行うと思われがちです。混同注意:前鋸筋の作用である外転(前方への引き出し)と混同しやすい。
- 4. 正解。大菱形筋と小菱形筋はともに、肩甲骨を脊柱方向へ引き寄せる(内転)作用があります。選びやすい理由:菱形筋の主要な作用の一つであり、理解していれば容易に選択できます。
- 5. 前鋸筋の主な作用は肩甲骨の外転と上方回旋です。下方回旋作用はありません。正しくは:下方回旋 - 小胸筋、菱形筋、肩甲挙筋選びやすい理由:前鋸筋が肩甲骨の非常に重要な安定筋・運動筋であるため、多くの作用を持つと思われやすいです。混同注意:上方回旋と下方回旋の区別、また他の下方回旋筋(小胸筋、菱形筋、肩甲挙筋)との混同。
国試ポイント
肩甲骨の様々な動き(挙上・下制・外転・内転・上方回旋・下方回旋)と、それらの動きに直接的または間接的に関わる主要な筋肉の正確な知識が問われています。特に、複数の作用を持つ筋肉や、間接的な作用を持つ筋肉の理解が重要です。筋肉の起始・停止から作用を論理的に導き出す能力も求められます。
混同注意
肩甲骨の動きと関連筋は数が多く、特に作用が拮抗する筋肉(例:上方回旋と下方回旋、外転と内転)や、複数の作用を持つ筋肉のそれぞれの作用を混同しやすいです。また、間接的な作用(例:鎖骨下筋による肩甲骨の下制)を見落としやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
この論点が次に問われる場合、他の肩甲骨の動き(例:挙上、上方回旋)とその主動作筋、あるいは複数の筋肉が協調して行う動作(例:肩甲上腕リズムにおける筋の役割)について問われる可能性があります。また、特定の疾患(例:翼状肩甲)と関連する筋肉(前鋸筋麻痺など)についても確認しておくと良いでしょう。
関連知識
肩甲胸郭関節は真の関節ではありませんが、その動きは上肢機能に不可欠です。鎖骨と肩甲骨、そして上腕骨との連動(肩甲上腕リズム)の理解も重要です。各筋の起始・停止、神経支配も関連知識として学習すべきです。