舌下神経について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
舌下神経(第XII脳神経)は、その名の通り、舌の運動を支配する純粋な運動神経です。舌の固有筋および一部の外来筋を支配し、咀嚼、嚥下、発語といった重要な機能に関与しています。選択肢1は、この舌下神経の主要な機能を正しく記述しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。舌下神経(第XII脳神経)の主な機能は、舌に存在する全ての固有筋および外来筋(オトガイ舌筋、舌骨舌筋、茎突舌筋を除く)を運動支配することです。これにより、舌の動きが制御され、咀嚼、嚥下、発語といった機能がスムーズに行われます。
- 2. 舌下神経核は、対側の大脳皮質からの支配だけでなく、同側の大脳皮質からも支配を受ける『両側性支配』を受けています。これにより、片側の大脳皮質病変があっても、舌の運動機能が完全に失われることは少なく、部分的または一過性の麻痺にとどまることが多いです。正しくは:大脳皮質からの支配は両側性です。選びやすい理由:脳神経の中には片側性支配のものもあるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:顔面神経などの片側性支配の脳神経と混同しやすいです。
- 3. 舌下神経核は、脳幹の最下部である延髄の腹側、第四脳室底に位置しています。中脳や橋ではありません。正しくは:その神経核は延髄に位置します。選びやすい理由:脳幹のどこにどの神経核があるかは非常に覚えにくいので、特定の部位だと推測してしまいがちです。混同注意:他の脳神経核の部位(例:動眼神経核は中脳、三叉神経核は橋から延髄、外転神経核は橋)と混同しやすいです。
- 4. 舌下神経は、延髄の錐体とオリーブの間、つまり脳幹の腹側から出ています。脳の背側ではありません。正しくは:脳の腹側から出ています。選びやすい理由:脳神経の多くは脳幹から出るため、位置関係を詳細に覚えていないと誤りを見抜きにくいです。混同注意:滑車神経(第四脳神経)は唯一、脳幹の背側から出る神経であり、それと混同しやすいです。
- 5. 舌下神経は純粋な運動神経であり、味覚や他の感覚情報を伝える機能はありません。味覚は顔面神経(前2/3)、舌咽神経(後1/3)、迷走神経(喉頭蓋など)によって伝達されます。正しくは:舌の運動を支配する遠心路です。選びやすい理由:舌に関連する神経であるため、感覚(特に味覚)も支配していると誤解しやすいです。混同注意:顔面神経(味覚)や舌咽神経(味覚、一般感覚)と混同しやすいです。
国試ポイント
脳神経の機能、神経核の位置、大脳皮質からの支配様式、および脳からの出入り部位は、国家試験で頻繁に問われる基本的な知識です。特に、純粋な運動神経か感覚神経か、あるいは混合神経か、そしてそれぞれの主要な働きを正確に理解しているかが試されます。
混同注意
脳神経全般(特に舌に関連する他の神経である顔面神経、舌咽神経、迷走神経)の機能や解剖学的特徴。例えば、味覚は顔面神経や舌咽神経が担い、舌下神経は関与しません。また、皮質からの両側性支配と片側性支配の違いも重要です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、まず各脳神経が『運動・感覚・副交感神経』のいずれの要素を持つか、その主たる機能は何かを確認し、次に神経核の正確な位置(中脳、橋、延髄)と脳からの出入り部位、そして大脳皮質からの支配様式(片側性か両側性か)を総合的に判断します。
関連知識
舌下神経麻痺の症状(舌の萎縮、線維束性収縮、発語障害、嚥下障害)、脳幹病変における神経核の局在診断、他の脳神経(特にⅢ、Ⅳ、Ⅵ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ)の機能と解剖。