体細胞分裂の開始に関わる細胞内小器官はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
体細胞分裂の開始と進行には、中心小体が重要な役割を果たします。分裂が始まるM期(有糸分裂期)には、間期に複製された中心小体が細胞の両極に移動し、そこから微小管が放射状に伸びて紡錘体を形成します。この紡錘体が染色体を適切に分離し、細胞質分裂を可能にするため、中心小体は細胞分裂の開始と成功に不可欠な細胞内小器官です。
選択肢ごとの解説
- 1. 核小体はリボソームRNAの合成とリボソーム粒子の形成に関与しますが、細胞分裂の開始そのものには直接関与しません。正しくは:核小体はリボソームの合成と成熟に重要な役割を担っていますが、細胞分裂の開始を直接制御するわけではありません。選びやすい理由:核の中にあるため、細胞の重要なプロセスに関わるというイメージから選んでしまうかもしれません。混同注意:細胞核全体、または染色体の機能と混同しやすいかもしれません。
- 2. 小胞体はタンパク質の合成、修飾、脂質の合成、カルシウム貯蔵など多様な機能を持っていますが、細胞分裂の開始には直接関与しません。正しくは:小胞体はタンパク質の合成・修飾や脂質合成を行いますが、細胞分裂の開始シグナルを出す器官ではありません。選びやすい理由:細胞内の物質輸送や合成など広範な機能を持つため、重要なプロセス全般に関与していると誤解されやすいです。混同注意:細胞内の他の膜系小器官(ゴルジ体など)や、細胞骨格の機能と混同しやすいかもしれません。
- 3. 正解。体細胞分裂(有糸分裂)の開始時には、中心小体が複製され、それぞれが細胞の両極へと移動し、紡錘体を形成するための微小管の形成起点となります。この紡錘体は染色体の分離に不可欠であり、中心小体の機能は分裂開始の非常に初期段階から重要です。
- 4. ゴルジ装置はタンパク質や脂質の修飾、選別、輸送に関与しますが、細胞分裂の開始とは直接的な関係がありません。正しくは:ゴルジ装置は細胞内で合成されたタンパク質や脂質を修飾・選別・輸送しますが、細胞分裂の制御には関与しません。選びやすい理由:分泌や細胞内輸送といった活発な機能を持つため、細胞の動的なプロセス全般に関わると誤解されやすいです。混同注意:小胞体と機能的に連携しているため、その役割が混同されたり、細胞膜の形成に関わるイメージと結びつきやすいかもしれません。
- 5. ミトコンドリアは細胞のエネルギー産生(ATP合成)を主な機能としますが、細胞分裂の開始を直接的に制御する小器官ではありません。ただし、分裂には大量のエネルギーが必要となるため、間接的には重要です。正しくは:ミトコンドリアは細胞のエネルギー源であるATPを供給しますが、細胞分裂の開始シグナルや進行を直接制御する役割はありません。選びやすい理由:細胞の生命活動に不可欠なエネルギーを供給するため、細胞のあらゆる重要なプロセスに関わると考えられがちです。混同注意:細胞の生存や増殖に不可欠であることから、分裂の直接的なトリガーと誤解されやすいです。
国試ポイント
体細胞分裂の過程と、その中で各細胞内小器官が果たす具体的な役割について正確に理解しているかを問う問題です。特に、中心小体と紡錘体形成の関連性が重要視されています。
混同注意
細胞分裂の各フェーズにおける細胞内小器官の機能、特に、核内の構造(核小体など)と、分裂に直接関与する中心小体の役割の区別が曖昧になりやすいです。また、エネルギー供給源であるミトコンドリアと、直接的な分裂制御に関わる小器官の区別もポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、細胞分裂のフェーズごとに、どの細胞内小器官がどのような機能変化を示すのか、特に染色体の挙動と微小管(紡錘体)の関連性を注意深く確認することが重要です。
関連知識
体細胞分裂のM期(前期、前中期、中期、後期、終期)における染色体、核膜、中心小体、紡錘体の動態。G1期、S期、G2期を含む細胞周期全体。チェックポイント(G1チェックポイント、G2/Mチェックポイント、Mチェックポイント)と、それを制御するサイクリン・サイクリン依存性キナーゼ(CDK)複合体の役割。アポトーシスとの関連性。