消化器の解剖で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
食道は、食道入口部(輪状軟骨部)、気管分岐部(大動脈弓横断部)、横隔膜貫通部の3箇所に生理的な狭窄部を有しています。これらは嚥下運動において重要な役割を果たすとともに、異物誤飲の際に物が引っかかりやすい場所でもあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 胃の筋層は内斜走筋、中輪走筋、外縦走筋の3層の平滑筋から構成されており、内容物を撹拌・排出する複雑な運動を可能にしています。正しくは:胃の筋肉層は3層の平滑筋で構成されています。選びやすい理由:消化管の多くが2層の平滑筋であるため、胃も同様と誤解しやすいです。混同注意:他の消化管(例:小腸や大腸)の筋層が基本的に2層(内輪走筋と外縦走筋)であることと混同しやすいです。
- 2. 小腸の約5分の2が空腸で、残りの約5分の3が回腸です。つまり、回腸の方が空腸より長いのが一般的です。正しくは:回腸は空腸よりも長さがあります。選びやすい理由:空腸と回腸の区別が曖昧だと、どちらが長いか迷いやすいです。混同注意:具体的な割合(空腸2/5、回腸3/5)を知らないと判断が難しいです。
- 3. 正解。食道には、上部(輪状軟骨部)、中部(気管分岐部/大動脈弓交差部)、下部(横隔膜貫通部)の3箇所に生理的な狭窄部があり、これらは内視鏡検査などで重要な目印となります。
- 4. 十二指腸は、その大部分(特に第2部から第4部)が後腹膜に位置しており、腸間膜を持たない二次性後腹膜臓器です。これにより、固定性が高く、位置が安定しています。正しくは:十二指腸は腸間膜を有しません(または、大部分が後腹膜に固定されています)。選びやすい理由:他の小腸(空腸、回腸)が腸間膜を持つため、十二指腸も同様だと誤解しやすいです。混同注意:腸間膜を持つ他の消化管(空腸、回腸)と、持たない十二指腸や膵臓などを混同しやすいです。
- 5. 内肛門括約筋は平滑筋からなり、自律神経によって不随意に調節されます。一方、外肛門括約筋が横紋筋で構成され、随意的にコントロール可能です。正しくは:内肛門括約筋は平滑筋から構成されています。選びやすい理由:内・外の括約筋の違いを意識しないと、どちらかの筋の種類をもう一方と誤解しやすいです。混同注意:随意筋である外肛門括約筋(横紋筋)と、不随意筋である内肛門括約筋(平滑筋)を混同しやすいです。
国試ポイント
消化器系の主要臓器の基本的な解剖学的特徴(筋層の数、長さの比較、腸間膜の有無、狭窄部の位置と数、括約筋の種類など)が問われています。特に、一般的な特徴と異なる例外的な点(例:胃の3層筋、十二指腸の腸間膜欠如、食道の狭窄部数)が狙われやすい傾向にあります。
混同注意
各消化管の構造的特徴(筋層の数、膜の有無など)や、似た名称の部位(例:内肛門括約筋と外肛門括約筋)の機能・構造の違いが混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、消化器各部位の筋層構造、腸間膜の有無、隣接する臓器との関係性、および括約筋の種類と支配神経(自律神経か体性神経か)に注目して判断します。
関連知識
胃の筋層:3層(内斜走筋、中輪走筋、外縦走筋)。小腸の長さ:十二指腸(約25cm)<空腸(約2.4m)<回腸(約3.6m)。十二指腸:第1部のみ腹腔内、第2〜4部は後腹膜。内肛門括約筋:平滑筋、不随意。外肛門括約筋:横紋筋、随意。