非圧痕性浮腫を生じる疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモンの不足により粘液水腫が生じます。これは、皮膚や皮下組織にヒアルロン酸などのムコ多糖が異常に蓄積し、水分を保持することで発生する浮腫であり、圧迫してもへこみが残らない非圧痕性浮腫が特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. ネフローゼ症候群による浮腫は、低アルブミン血症による血管内浸透圧の低下が主な原因であり、圧痕性浮腫( pitting edema )を示します。正しくは:ネフローゼ症候群では圧痕性浮腫が生じます。選びやすい理由:浮腫の原因疾患としてよく知られているため、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:甲状腺機能低下症による浮腫と、原因やメカニズムが異なることを混同しやすいです。
- 2. 正解。甲状腺機能低下症では、皮膚組織へのムコ多糖(ヒアルロン酸など)の沈着が増加し、水分が保持されることで浮腫が生じます。この浮腫は指で押してもへこみが残らない非圧痕性浮腫( non-pitting edema )の特徴を示します。これを粘液水腫と呼びます。選びやすい理由:浮腫の原因疾患として、比較的特徴的な症状であるため、知識があれば正答できます。
- 3. 肝硬変による浮腫は、主に低アルブミン血症(肝臓でのアルブミン合成低下)と門脈圧亢進が原因で、圧痕性浮腫を示します。正しくは:肝硬変では圧痕性浮腫が生じます。選びやすい理由:肝硬変も全身性浮腫の原因となるため、誤って選びやすいです。混同注意:他の原因による圧痕性浮腫と区別がつきにくいかもしれません。
- 4. 心不全による浮腫は、心臓のポンプ機能低下による静水圧の上昇が原因であり、特に下肢に発生しやすく、圧痕性浮腫を示します。正しくは:心不全では圧痕性浮腫が生じます。選びやすい理由:心不全は全身性浮腫の代表的な原因疾患であるため、迷いやすい選択肢です。混同注意:様々な原因による浮腫がある中で、最も一般的なものの一つであるため、非圧痕性浮腫の特殊性を忘れがちです。
- 5. 熱傷部位の浮腫は、血管透過性の亢進により血管内から組織間腔へ水分が漏出することで生じます。急性期の熱傷部位は腫脹し、指で押すとへこみが残る圧痕性浮腫を呈することが一般的です。正しくは:熱傷では圧痕性浮腫が生じます。選びやすい理由:局所の炎症反応による浮腫として選択肢に挙げられますが、非圧痕性浮腫のメカニズムとは異なります。混同注意:熱傷による浮腫が局所的である点と、全身性の浮腫との違いを混同しやすいです。
国試ポイント
浮腫の種類(圧痕性/非圧痕性)と、それぞれを特徴的に引き起こす主要な疾患を区別できるかが問われています。特に、甲状腺機能低下症による粘液水腫が非圧痕性浮腫の代表例であることを知っている必要があります。
混同注意
ネフローゼ症候群、肝硬変、心不全による浮腫はいずれも全身性浮腫の原因であり、頻度が高いため、これらが圧痕性浮腫であることと、甲状腺機能低下症が非圧痕性浮腫であることの区別が曖昧になりやすいです。
次に同じ論点が出たら
この問題で誤答した場合は、まず圧痕性浮腫と非圧痕性浮腫の基本的な違いと、それぞれの主要な原因疾患を再確認しましょう。特に、病態生理と関連付けて覚えることで理解が深まります。リンパ浮腫も非圧痕性浮腫の原因として重要であるため、合わせて学習すると良いでしょう。
関連知識
圧痕性浮腫の原因:心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群、栄養失調、静脈疾患。非圧痕性浮腫の原因:甲状腺機能低下症(粘液水腫)、リンパ浮腫。浮腫の病態生理:静水圧の上昇、膠質浸透圧の低下、リンパ還流障害、血管透過性の亢進。