視床へ上行性に接続するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
内側毛帯は、触覚、圧覚、振動覚、深部感覚(固有受容覚)といった識別性体性感覚情報を延髄の薄束核・楔状束核で二次ニューロンに接続し、反対側へ交叉した後、視床(腹側後外側核:VPL)に伝える主要な上行性伝導路である。視床は感覚情報の中継核として重要な役割を担っており、感覚情報は視床を介して大脳皮質に伝達される。他の選択肢は、脳神経、あるいは下行性の運動伝導路であり、視床へ上行性に接続するものではない。
選択肢ごとの解説
- 1. 副神経は第XI脳神経であり、頸部の筋肉(胸鎖乳突筋、僧帽筋)を支配する運動神経である。視床へ上行性に感覚情報を伝える経路ではない。正しくは:副神経は、脳幹から出て頸部や肩の筋肉を支配する運動性の脳神経である。選びやすい理由:脳神経であるため、中枢神経系の重要な一部として誤って関連付けてしまう可能性がある。混同注意:脳神経の中には、感覚情報を脳へ伝える求心性線維を含むものもあるため、視床への投射と混同するかもしれない。
- 2. 正解。内側毛帯は、脊髄後索から来る深部感覚や識別性触覚などの体性感覚情報を延髄で交叉した後、視床(腹側後外側核:VPL)に伝える主要な上行性伝導路である。したがって、視床へ上行性に接続する。
- 3. 皮質橋路は大脳皮質から橋核へ投射する下行性の経路である。橋核からの情報は小脳に送られ、視床へ上行性に接続する経路ではない。正しくは:皮質橋路は大脳皮質から橋核へ情報を送る下行性の伝導路である。選びやすい理由:「皮質」という言葉から、大脳と関連する重要な経路であると判断しやすいが、方向性や最終的な接続先を正確に理解していないと間違えやすい。混同注意:運動系に関わる主要な経路の一つであるため、他の主要な運動路や感覚路と混同しやすい。
- 4. 赤核脊髄路は中脳の赤核から脊髄へ下降する運動伝導路であり、主に上肢の屈筋活動に関与する。視床へ上行性に接続する経路ではない。正しくは:赤核脊髄路は、中脳の赤核から脊髄へ下降する運動伝導路である。選びやすい理由:運動制御に関わる重要な経路であり、名称に「脊髄」が含まれるため、感覚路と混同しやすい。混同注意:脊髄を介する経路であるため、上行性の感覚路である脊髄視床路などと混同する可能性。
- 5. 皮質脊髄路は大脳皮質から脊髄へ下降する運動伝導路であり、随意運動の主要な経路である。視床へ上行性に接続する経路ではない。正しくは:皮質脊髄路は、大脳皮質から脊髄へ下降する運動伝導路である。選びやすい理由:「皮質」と「脊髄」という主要な部位を結ぶため、重要度が高いと認識されやすいが、方向性を誤りやすい。混同注意:脊髄を介する主要な経路であるため、上行性の感覚路である脊髄視床路や後索路などと混同しやすい。
国試ポイント
脳の解剖学と生理学、特に主要な神経伝導路(上行性・下行性)の起点、終点、経路、および機能についての正確な知識が問われる。視床の役割、各伝導路の名称と機能、そしてその走行(上行性か下行性か、どこで交叉するか)を理解しているかが重要である。
混同注意
上行路と下行路の区別、感覚路と運動路の区別、各伝導路の脳幹における交叉の有無と位置、視床の各核の役割(例: VPL核、VPM核、内側膝状体、外側膝状体など)。
次に同じ論点が出たら
各伝導路の「起始核」「終止核(または終止部位)」「走行経路」「機能」「交叉の有無と場所」を整理して覚えているかを確認する。特に、視床を介する感覚路(内側毛帯路、脊髄視床路)と、視床を介さない小脳路や下行路を区別できるかが重要である。
関連知識
【上行性伝導路】内側毛帯路(後索-内側毛帯路):識別性触覚、圧覚、振動覚、固有受容覚。脊髄視床路(外側脊髄視床路、前脊髄視床路):痛覚、温覚、粗大触覚、圧覚。脊髄小脳路(前脊髄小脳路、後脊髄小脳路):無意識の固有受容覚。 【下行性伝導路】皮質脊髄路:随意運動。赤核脊髄路:上肢の屈筋活動。網様体脊髄路:姿勢、平衡。前庭脊髄路:姿勢、平衡。皮質橋路:小脳への運動情報伝達の一部。 【視床の役割】感覚情報の中継点、運動制御、意識、情動など。