てんかんで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
てんかんの病因分類は、国際抗てんかん連盟(ILAE)の提唱する分類に基づいており、大きくは原因不明な「特発性てんかん」と、脳の構造的異常や遺伝的要因など、特定の原因が同定できる「症候性てんかん」に分けられます。これはてんかんを理解し、診断・治療を進める上で非常に重要な概念です。
選択肢ごとの解説
- 1. てんかんには遺伝的な素因が関与する場合があります。特に特発性てんかんや、特定の遺伝子変異が関連するてんかん症候群では遺伝的要因が指摘されています。正しくは:てんかんには遺伝素因がある場合もあります。選びやすい理由:てんかんは外傷や脳疾患など後天的な原因で発症することもあるため、遺伝的要素がないと誤解しやすいかもしれません。混同注意:すべてのてんかんが遺伝するわけではないため、遺伝性がないてんかん(症候性てんかんなど)のイメージと混同しやすいです。
- 2. てんかん発作は部分発作と全般発作に大別され、部分発作の中には意識変容を伴わないタイプ(旧称:単純部分発作)もあります。正しくは:てんかん発作の中には、意識障害を伴わないものもあります。選びやすい理由:てんかん発作のイメージとして、全身けいれんと意識消失を伴う「大発作」(強直間代発作)が強いため、全てのてんかんで意識障害が必発すると考えがちです。混同注意:全般発作(特に強直間代発作)と部分発作(意識変容を伴わないもの)が混同されている可能性があります。
- 3. てんかんは小児期と高齢期に発症のピークがあります。特に脳血管障害や変性疾患などの影響で、高齢者のてんかん発症は少なくありません。正しくは:てんかんは高齢者にも比較的多く発症します。選びやすい理由:てんかんは子どもの病気というイメージが強いため、高齢者の発症は少ないと誤認しやすいです。混同注意:小児期発症のイメージが強いために、他の年齢層での発症率が過小評価されている可能性があります。
- 4. 正解。てんかんの原因は、特定の構造的脳病変や遺伝的異常が明らかでない「特発性てんかん」と、脳の器質的病変(脳腫瘍、脳血管障害、頭部外傷など)や遺伝的要因が確認できる「症候性てんかん」に大きく分けられます。近年では「原因不明」という分類(旧称:潜因性てんかん)も考慮され、国際的には「特発性」「構造的・代謝性」「遺伝性」「原因不明」といった分類が用いられることもありますが、基本的な概念としては特発性と症候性に大別されます。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、特に誘惑や混同はありません。
- 5. 日本におけるてんかん患者数は、約100万人(全人口の約1%)と推定されており、10万人という数字は実際の数よりも大幅に少ないです。正しくは:日本におけるてんかん患者数は約100万人と推定されています。選びやすい理由:正確な数字を覚えていないと、なんとなく正しいような印象を受けるかもしれません。混同注意:他の神経疾患や希少疾患の患者数と混同している可能性があります。
国試ポイント
てんかんに関する基本的な知識(疫学、病因分類、症状の特徴)を問う問題です。特に、てんかんが必ずしも全身けいれんや意識消失を伴うわけではないこと、高齢者にも発症すること、患者数が比較的多いことなど、誤解されやすいポイントが選択肢として提示されています。
混同注意
てんかんの病因分類(特発性、症候性)と、発作型分類(部分発作、全般発作)が混同されやすいです。また、てんかんの疫学データ(患者数、発症年齢のピーク)についても正確な知識が求められます。
次に同じ論点が出たら
てんかんに関する問題が次に問われる場合、具体的なてんかん症候群の特徴、抗てんかん薬の作用機序や副作用、またはてんかん患者の日常生活における注意点やリハビリテーションの視点から出題される可能性があります。また、画像診断や脳波検査といった診断法に関する知識も重要です。
関連知識
てんかんの病因分類(国際分類)、てんかん発作の種類と症状、てんかんの疫学(発症率、有病率、年齢分布)、てんかんの治療(薬物療法、外科療法、生活指導)。特に、小児てんかんと成人てんかん、高齢者てんかんの特徴の違いについても理解しておく必要があります。