アスピリンの主作用はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
アスピリンは代表的な非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)であり、主な薬理作用として解熱、鎮痛、抗炎症作用、および抗血小板作用があります。設問では主作用が問われているため、これらの主要作用のいずれかが正答となります。選択肢の中では「痛みを和らげる作用(鎮痛作用)」がこれに該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. アスピリンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)であり、抗菌作用は持ちません。正しくは:抗菌作用を持つのは主に抗生物質です。選びやすい理由:炎症を抑える作用があるため、細菌感染症にも効果があるかのように誤解される可能性がありますが、直接細菌を殺す作用はありません。混同注意:抗炎症作用と抗菌作用を混同する可能性があります。
- 2. アスピリンに催眠作用はありません。むしろ消化器症状などによって睡眠を妨げる可能性があります。正しくは:催眠作用を持つのは睡眠薬などの薬剤です。選びやすい理由:解熱作用で体が楽になることで間接的に休息を促すとは考えられますが、直接的な催眠効果はありません。混同注意:鎮痛作用で痛みが和らぐことでリラックスし、眠気を感じやすくなるといった、間接的な影響と混同する可能性があります。
- 3. アスピリンは血小板凝集を抑制する作用があり、むしろ出血傾向を高めます。低用量アスピリンは血栓予防薬として使用されます。正しくは:止血作用を持つのはビタミンK製剤や止血剤などです。選びやすい理由:体内の様々な機能を調整する作用があるため、止血作用もあると誤解されやすいかもしれません。混同注意:「抗炎症」という言葉から、組織の損傷と関連付け、出血を止める作用もあると誤解する可能性があります。
- 4. アスピリンに直接的な鎮咳作用はありません。鎮咳作用を持つのは主に咳止め薬(鎮咳薬)です。正しくは:鎮咳作用を持つのは主に咳止め薬です。選びやすい理由:風邪症状全般に効くというイメージから、咳にも効くと誤解されやすいかもしれません。混同注意:解熱・鎮痛作用で風邪の症状全体を緩和することと、特定の症状である咳を直接抑える作用を混同する可能性があります。
- 5. 正解。アスピリンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種であり、プロスタグランジン合成を阻害することで鎮痛作用を発揮します。正しくは:この選択肢は正しい記述です。選びやすい理由:特になし。これはアスピリンの主要な作用の一つです。
国試ポイント
薬剤の主要な薬理作用に関する知識が問われています。特に広く使われる一般的な薬剤については、その作用機序や主な効果を正確に理解しておく必要があります。国家試験では、薬物の分類とそれに属する代表的な薬物の主作用を関連付けて覚えることが重要です。
混同注意
アスピリンの多岐にわたる作用(解熱、鎮痛、抗炎症、抗血小板)の中で、どれが『主作用』として最も適切かという点。また、他の一般的な薬効(抗菌、催眠、止血、鎮咳)と混同しないことが求められます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、主要な薬剤(例:ロキソプロフェン、アセトアミノフェン、ワルファリンなど)について、その主な薬理作用(鎮痛、解熱、抗炎症、抗菌、止血、抗凝固など)を適切に選択できるか、またはその作用機序を説明できるかが問われると予想されます。
関連知識
アスピリン(アセチルサリチル酸)はシクロオキシゲナーゼ(COX)酵素を不可逆的に阻害し、プロスタグランジンやトロンボキサンA2の生成を抑制します。これにより、解熱、鎮痛、抗炎症作用を発揮します。また、血小板のトロンボキサンA2生成を抑制することで、血小板凝集を阻害し、抗血栓作用を示します。このため、低用量アスピリンは心筋梗塞や脳梗塞の再発予防にも用いられます。副作用としては、胃腸障害(胃潰瘍など)、アスピリン喘息、ライ症候群などが知られています。