甲状腺が分泌するホルモンはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
甲状腺からは、主に代謝を調節する甲状腺ホルモン(サイロキシン、トリヨードサイロニン)と、血中カルシウム濃度を低下させる作用を持つカルシトニンの二種類のホルモンが分泌されます。カルシトニンは甲状腺内の傍濾胞細胞(C細胞)で産生されます。
選択肢ごとの解説
- 1. メラトニンは、主に松果体から分泌されるホルモンで、概日リズム(睡眠・覚醒サイクル)の調節に関与します。甲状腺からは分泌されません。正しくは:メラトニンは松果体から分泌されます。選びやすい理由:ホルモンの一種として広く知られているため、選択肢として目を引きますが、分泌源が異なります。混同注意:他のホルモンと混同しやすいですが、その機能と分泌腺は甲状腺ホルモンとは全く異なります。
- 2. オキシトシンは、視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。子宮の収縮促進や乳汁分泌、社会的な行動に関連します。甲状腺からは分泌されません。正しくは:オキシトシンは視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されます。選びやすい理由:特に女性の生殖機能に関わる重要なホルモンとして認識されているため、知っているホルモンとして選びたくなるかもしれません。混同注意:下垂体後葉から分泌されるバソプレシンとセットで学習されることが多く、他の内分泌腺のホルモンと混同しやすいです。
- 3. 正解。カルシトニンは、甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)から分泌されるホルモンです。血中カルシウム濃度が高いときに、骨からのカルシウム放出を抑制し、腎臓からのカルシウム排泄を促進することで、血中カルシウム濃度を低下させる働きがあります。混同注意:副甲状腺から分泌されるパラトルモンと、血中カルシウム濃度に対する作用が拮抗しているため、その分泌臓器や作用を混同しやすいです。また、甲状腺ホルモン(サイロキシン、トリヨードサイロニン)とは異なるホルモンである点も注意が必要です。
- 4. バソプレシン(抗利尿ホルモン)は、視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。腎臓での水の再吸収を促進し、尿量を減少させる働きがあります。甲状腺からは分泌されません。正しくは:バソプレシンは視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されます。選びやすい理由:体液バランスの調節に関わる重要なホルモンであり、内分泌系の知識として知られていることが多いですが、分泌器官が異なります。混同注意:オキシトシンと同様に、視床下部-下垂体後葉系のホルモンとしてセットで学習されるため、他の内分泌腺のホルモンと混同しやすいです。
- 5. パラトルモン(副甲状腺ホルモン、PTH)は、甲状腺の裏側に位置する副甲状腺(上皮小体)から分泌されるホルモンです。血中カルシウム濃度が低いときに、骨からのカルシウム放出を促進し、腎臓でのカルシウム再吸収を促進することで、血中カルシウム濃度を上昇させる働きがあります。甲状腺から直接分泌されるものではありません。正しくは:パラトルモンは副甲状腺から分泌されます。選びやすい理由:甲状腺のすぐ隣にある副甲状腺から分泌されるため、位置的に近接しており、甲状腺ホルモンと誤って関連付けやすいです。カルシトニンと拮抗する作用を持つため、セットで記憶している場合に混同しやすいです。混同注意:カルシトニン(甲状腺)とパラトルモン(副甲状腺)は、血中カルシウム濃度調節において拮抗的に作用し、分泌臓器が近接しているため、最も混同しやすい組み合わせです。
国試ポイント
この問題は、主要な内分泌腺とその分泌ホルモンの組み合わせを正確に理解しているかを問うものです。特に、甲状腺から分泌されるホルモンが甲状腺ホルモンだけでなく、カルシトニンも含まれる点、そして甲状腺に隣接する副甲状腺(上皮小体)から分泌されるパラトルモンとの区別が重要です。
混同注意
甲状腺と副甲状腺(上皮小体)の分泌ホルモン(カルシトニンとパラトルモン)は、血中カルシウム濃度に対する作用が拮抗しており、分泌臓器が隣接しているため、非常に混同されやすい概念です。また、甲状腺ホルモン(T3, T4)とカルシトニンは分泌細胞が異なる点も理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に内分泌系の問題が出た場合、各内分泌腺(下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓、性腺など)がどのホルモンを分泌し、そのホルモンがどのような生理作用を持つのかを正確に区別できるように、体系的に整理して学習することが重要です。特に、拮抗作用を持つホルモンや、同じ臓器から異なる細胞が異なるホルモンを分泌するケースには注意を払いましょう。
関連知識
甲状腺は、濾胞細胞が甲状腺ホルモンを、傍濾胞細胞(C細胞)がカルシトニンを分泌する複合的な内分泌腺です。甲状腺ホルモンは全身の代謝促進や成長・発達に不可欠であり、カルシトニンと副甲状腺から分泌されるパラトルモンは、体内のカルシウム恒常性維持に重要な役割を果たしています。