中学生の心理発達における特徴はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
中学生の時期は思春期にあたり、第二次性徴が顕著に現れます。これに伴う急激な身体的変化は、精神的な成熟が追いつかず、自己身体像への戸惑いや不安、羞恥心といった複雑な感情を引き起こしやすいです。これは、エリクソンの発達段階でいうところの「自我同一性の確立」に向けた模索が始まる時期とも重なり、自己の身体と精神の変化に直面する重要な段階です。
選択肢ごとの解説
- 1. 性の相違を理解するのは幼児期後期(3〜6歳頃)の特徴であり、中学生ではすでに理解が確立しています。正しくは:これは幼児期後期の特徴です。選びやすい理由:子どもが成長する過程で性差の理解は重要なので、何となく選んでしまうかもしれません。混同注意:性差の認識と、思春期における異性への関心や性役割の葛藤を混同する可能性があります。
- 2. 自我同一性の完成(アイデンティティの確立)は、青年期後期から成人期初期にかけての課題であり、中学生の段階ではまだその途上にあります。多くの葛藤や模索がみられます。正しくは:自我同一性の確立は青年期後期から成人期初期にかけての課題です。選びやすい理由:思春期にアイデンティティを模索することは確かですが、「完成」という言葉に注意を払わないと、選んでしまう可能性があります。混同注意:自我同一性の「模索」と「完成」を混同する可能性があります。中学生は模索の時期です。
- 3. 中学生は反抗期にあたり、教師や親などの権威に反発したり、距離を置こうとしたりすることが多く、従順であるとは言えません。友人関係を重視する傾向が強まります。正しくは:中学生は権威に反発したり、友人関係を重視する傾向があります。選びやすい理由:良い生徒像として想像しがちですが、心理発達の特性としては適切ではありません。混同注意:小学校低学年までの、まだ権威に従順な時期と混同する可能性があります。
- 4. 正解。中学生の時期は思春期にあたり、急速な身体的変化(第二次性徴)が現れます。これに対する精神的な準備が追いつかず、羞恥心や戸惑い、自己身体像の混乱などを感じやすいのが特徴です。正しくは:正答です。
- 5. 中学生の時期は、親から心理的に自立しようとする傾向があり、友人関係を非常に重視します。むしろ親子関係よりも友人関係を優先することが多くなります。正しくは:友人関係を重視し、親子関係から心理的に自立しようとします。選びやすい理由:家族との関係も依然として重要であるため、間違いと判断しにくいかもしれませんが、優先順位が変わる点に注意が必要です。混同注意:小学校時代までの親子関係中心の生活と、思春期以降の友人関係重視への移行期の感情を混同する可能性があります。
国試ポイント
発達心理学における各年代の主要な発達課題や特徴を正確に理解しているかが問われます。特に、エリクソンの発達段階説と結びつけて、思春期の身体的・精神的変化を把握しているかが重要です。「〜が完成する」といった断定的な表現には注意が必要です。
混同注意
思春期の発達課題(アイデンティティの模索、第二次性徴への適応、友人関係の重視など)と、その『達成』や『完成』を混同しやすい。また、幼児期や児童期に見られる特徴と思春期の特徴を取り違えることもあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各発達段階における身体的発達、認知発達、社会情緒的発達の主要な特徴を問う問題が予想されます。特に、青年期におけるアイデンティティ形成や、親からの心理的離乳、友人関係の重要性などが出題されやすいでしょう。各年代の具体的な行動や思考パターンと結びつけて理解しているかを判断する問題に注意が必要です。
関連知識
エリクソンの発達段階説(青年期の『同一性の確立 対 同一性の拡散』)、ピアジェの認知発達理論(形式的操作期)、思春期の心理的特徴(反抗期、自意識過剰、仲間集団の形成、異性への関心)。