Eriksonによる発達段階で学童期に獲得すべき課題はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
エリクソンの発達段階理論において、学童期(約6歳から12歳頃)は第4段階「勤勉性対劣等感」にあたります。この時期の子どもは、学校や集団での活動を通して様々な能力を習得し、努力と達成感を経験することで勤勉性を獲得します。これがうまくできないと、劣等感を抱きやすくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。エリクソンの発達段階理論において、学童期(約6歳から12歳頃)は「勤勉性対劣等感」の段階にあたり、この時期の主要な課題は勤勉性の獲得とされています。学校生活や集団活動を通して、学ぶことや生産することに意欲を持ち、達成感を味わうことで自己肯定感を育みます。
- 2. 積極性(主体性)は、エリクソンの発達段階では「幼児前期」(3歳から6歳頃)に獲得すべき課題である「積極性対罪悪感」の段階に該当します。この時期に子どもは自ら目標を設定し、活動を計画・実行する力を身につけます。正しくは:積極性は幼児前期の課題である。選びやすい理由:学童期も積極的に学ぶことが重要であるため、間違いやすい。混同注意:勤勉性と混同しやすいが、積極性は行動の自発性、勤勉性は努力と達成感を指すという違いがある。
- 3. 自律性は、エリクソンの発達段階では「幼児後期」(1歳から3歳頃)に獲得すべき課題である「自律性対恥・疑惑」の段階に該当します。この時期に子どもは排泄のしつけや歩行などの発達を通して、自分の意志で行動する力を養います。正しくは:自律性は幼児後期の課題である。選びやすい理由:学童期も自律的な行動が求められるため、間違いやすい。混同注意:勤勉性や積極性と混同しやすいが、自律性は自己のコントロールや選択の自由を指す。
- 4. 親密性は、エリクソンの発達段階では「成人期初期」(青年期後期以降)に獲得すべき課題である「親密性対孤立」の段階に該当します。この時期に他者との深い人間関係や愛情を築く能力が求められます。正しくは:親密性は成人期初期の課題である。選びやすい理由:学童期でも友人関係は重要であるため、親密性を連想しやすいが、エリクソンの定義する親密性はより深い関係性を指す。混同注意:同一性や集団での協調性と混同しやすい。
- 5. 同一性(アイデンティティ)は、エリクソンの発達段階では「青年期」(思春期から成人期初期)に獲得すべき課題である「同一性対同一性拡散」の段階に該当します。この時期に自己の役割や価値観を確立し、自己を認識します。正しくは:同一性は青年期の課題である。選びやすい理由:学童期も自己認識が始まる時期であり、同一性を意識し始めるため、間違いやすい。混同注意:自律性や勤勉性と混同しやすいが、同一性は自己の確立を指す。
国試ポイント
エリクソンの発達段階理論における各段階と、それに紐づく発達課題の名称を正確に理解しているかが問われます。特に、どの年齢期にどの課題が設定されているかを対応付けて覚えることが重要です。
混同注意
各発達段階における課題の名称が類似しているため、特に「自律性」「積極性」「勤勉性」「同一性」などが混同されやすい傾向にあります。それぞれの課題がどのような行動や心理的側面に関わるのかを具体的に理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後、エリクソンの発達段階に関する問題が出題された場合、他の年齢期の課題(例:乳児期の「信頼性」、青年期の「同一性」など)や、各課題の具体的な内容(例:勤勉性とは具体的にどういうことか)について問われる可能性があります。また、精神疾患を持つ患者さんの発達段階における課題未達成が、現在の状態にどう影響しているかといった応用的な視点も問われるかもしれません。
関連知識
エリクソンの心理社会的発達理論は、フロイトの精神分析理論を拡張し、社会文化的要因と生涯にわたる発達を重視しています。各段階は危機を乗り越えることで次の段階へ移行し、健全なパーソナリティが形成されると考えられています。各段階の年齢、発達課題、そして課題達成・未達成時の結果を一覧で整理しておくと良いでしょう。