外側ストラップ付き金属支柱付き短下肢装具の使用が最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
内反尖足は足関節の底屈と内反を特徴とします。金属支柱付き短下肢装具は、足関節の底屈を制限し、不安定性を軽減します。特に『外側ストラップ付き』という条件は、足部の内反を外側から牽引・固定することで、内反変形を矯正または予防するのに非常に有効です。したがって、内反尖足に対して最も適切な装具の選択肢となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 膝折れは膝関節の不安定性を示す症状であり、短下肢装具(AFO)では膝関節を直接制御することはできません。膝関節の支持には長下肢装具(KAFO)がより適切です。正しくは:膝関節の安定性が必要な場合は、長下肢装具(KAFO)の使用を検討します。選びやすい理由:装具全般が安定性を高める目的で使われるため、一時的に選んでしまう可能性がある。混同注意:短下肢装具と長下肢装具の適用範囲。
- 2. 足関節クローヌスは上位運動ニューロン障害による不随意運動であり、金属支柱付き短下肢装具は主に支持や固定を目的としています。クローヌス自体を直接的に抑制する効果は限定的です。正しくは:クローヌスに対する装具療法は、アキレス腱の伸長位保持や足底屈筋の筋緊張緩和を目的としたものが検討されますが、金属支柱付き装具が第一選択とは限りません。ボツリヌス毒素注射や薬物療法、ストレッチングなど他のアプローチも重要です。選びやすい理由:足関節に関わる症状であるため、短下肢装具を連想しやすい。混同注意:装具の種類と目的。不随意運動と筋力低下・変形に対する装具の違い。
- 3. 深部感覚障害は、固有受容感覚や振動覚の障害であり、足関節の安定性に影響を与える可能性があります。しかし、短下肢装具は感覚障害そのものを改善するものではなく、代償的にバランスを補助する目的で用いられることはありますが、外側ストラップ付き金属支柱付き装具が深部感覚障害に対して最も直接的かつ特異的な選択肢ではありません。正しくは:深部感覚障害によるバランス障害に対しては、足底板や足関節の安定性を高める装具が検討されることもありますが、外側ストラップ付き金属支柱付き装具が第一選択とは言えません。視覚や前庭覚の代償、リハビリテーションによる固有受容感覚の再学習などが中心となります。選びやすい理由:装具が全体的な安定性に関わるため、バランス障害を引き起こす感覚障害にも効果があると考えてしまう可能性がある。混同注意:感覚障害と運動機能障害への装具の効果。
- 4. 正解。内反尖足は、足関節が底屈し、さらに足部が内反する状態です。外側ストラップ付き金属支柱付き短下肢装具は、金属支柱で足関節の底屈を制限し、外側からのストラップで内反を矯正・制御するのに効果的です。特に内反成分が強い場合に外側からの支持が重要となります。正しくは:選択肢の記述で正しい。選びやすい理由:他の装具の種類との混同がなければ、内反尖足への装具の適応は比較的明確。混同注意:他の種類の装具(例:プラスチック製装具、内側ストラップなど)との使い分け。
- 5. 外反膝は膝関節の問題であり、短下肢装具では直接的に外反膝を制御することはできません。膝関節の変形や不安定性には、膝装具(KO)や長下肢装具(KAFO)が適用されます。正しくは:外反膝の矯正や支持には、膝関節を包む膝装具(KO)や長下肢装具(KAFO)の使用が適切です。選びやすい理由:装具が全体的な下肢の配列に関わるため、膝の問題にも効果があると考えてしまう可能性がある。混同注意:短下肢装具と長下肢装具、膝装具の適用部位の違い。
国試ポイント
本問題は、短下肢装具の種類と、それらがどのような病態に対して適用されるかという基本的な知識を問うものです。特に装具の構造(金属支柱、ストラップの位置)が、具体的な症状(内反、外反、尖足など)にどのように対応するかを理解しているかが重要となります。膝関節の問題と足関節の問題の区別もポイントです。
混同注意
装具の部位(短下肢、長下肢、膝)とその適応疾患、そしてストラップや支柱の位置による効果の違いが混同されやすい。特に、足関節の問題なのか、膝関節の問題なのかを正確に判断することが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず装具の種類(短下肢、長下肢、膝)が問題となっている関節と一致しているかを確認します。次に、装具の付属構造(ストラップの位置、支柱の材質など)が、提示された症状(内反、外反、尖足、膝折れなど)の力学的問題点に対して適切に対処できるか、という視点で判断します。
関連知識
短下肢装具の種類(金属支柱付き、プラスチック製AFO)、その主な構成要素(カフ、支柱、足部板、ストラップ)、各装具の適応疾患(下垂足、尖足、内反尖足、外反尖足など)、そして長下肢装具や膝装具との違い。