寒冷療法の作用で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
寒冷療法は、筋紡錘の活動を抑制することで、筋の過緊張やスパズムを軽減する効果があります。具体的には、γ運動神経活動が低下し、筋紡錘の感受性が減弱するため、伸張反射が抑制されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 寒冷は滑液の粘度を上昇させます。これは、低温環境下で分子の運動エネルギーが低下し、分子間力が相対的に強まるためです。正しくは:関節液の粘度が増加する。選びやすい理由:温熱療法と混同しやすい。温熱療法では粘度が低下する。混同注意:温熱療法の作用
- 2. 寒冷は痛覚神経の活動を抑制し、痛みの伝達を遅らせることで、痛閾値を上昇させます(つまり、痛みを感じにくくする)。正しくは:痛みを感じる閾値が高くなる。選びやすい理由:炎症がある場合の疼痛増強と混同しやすい可能性があるが、直接的な作用ではない。混同注意:炎症による疼痛増強
- 3. 寒冷は神経線維の興奮性を低下させ、活動電位の発生と伝達速度を遅らせます。これは、イオンチャネルの機能が低温で抑制されるためです。正しくは:神経の伝導速度が遅くなる。選びやすい理由:血流増加と関連して代謝が活発になるイメージと誤って結びつける可能性。混同注意:温熱療法の作用
- 4. 正解。寒冷は筋紡錘のγ運動ニューロンの活動を抑制し、筋紡錘の感度を低下させます。これにより、筋肉の伸張反射が抑制され、筋緊張が緩和される効果があります。選びやすい理由:反射が亢進するイメージと誤って結びつけやすい。
- 5. 寒冷は血管を収縮させ、毛細血管の透過性を低下させます。これにより、浮腫や内出血の発生を抑制する効果があります。正しくは:毛細血管の透過性が低下する。選びやすい理由:炎症反応による透過性亢進と混同しやすいが、寒冷療法の直接作用は逆である。混同注意:炎症反応
国試ポイント
寒冷療法の生理学的効果について、特に神経系や循環器系への影響、およびそれらが疼痛管理や筋緊張緩和にどう寄与するかを問う問題です。各選択肢が温熱療法との対比や、生体の一般的な反応と混同しやすいように作られています。
混同注意
温熱療法の作用、炎症反応による生体応答
次に同じ論点が出たら
今後同じ論点が出た場合、寒冷療法の禁忌事項(レイノー病、寒冷蕁麻疹、重度循環不全など)や適用疾患、具体的な冷却方法(アイスパック、コールドスプレーなど)とその時間についても問われる可能性があります。
関連知識
寒冷療法の主な効果(鎮痛、筋弛緩、浮腫抑制、血管収縮、代謝低下)、温熱療法の主な効果(鎮痛、筋弛緩、血流増加、代謝亢進、結合組織伸展性向上)。