ASIAの評価対象はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ASIA(American Spinal Injury Association)は、国際脊髄損傷神経学的分類基準(International Standards for Neurological Classification of Spinal Cord Injury: ISNCSCI)とも呼ばれ、脊髄損傷の評価基準です。この評価では、運動機能と感覚機能を特定のデルマトームとミオトームに基づいて詳細に調べます。特に、最下位の脊髄節であるS4-5領域の機能評価は重要で、肛門周囲の感覚(軽触覚と針刺激覚)と随意的な肛門括約筋の収縮の有無が、脊髄損傷の完全性(Complete/Incomplete)を判定する上で不可欠な項目とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. ASIA(American Spinal Injury Association)の評価は脊髄損傷の程度を分類するためのものであり、意識レベルはGCS(Glasgow Coma Scale)などで評価される項目です。正しくは:ASIAの評価は意識レベルを直接評価対象とはしません。選びやすい理由:一般的な神経学的評価の一部として意識レベルも重要であるため、関連しているように感じやすいかもしれません。混同注意:GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)など他の神経学的評価スケールと混同しやすいです。
- 2. 運動失調は小脳機能の評価項目であり、ASIA評価の直接的な対象ではありません。ASIAは主要な運動機能(MMT)と感覚レベルを評価します。正しくは:ASIAは運動失調の有無や程度を評価するスケールではありません。選びやすい理由:運動機能の一部と捉えられるため、関連性があるように思われがちです。混同注意:小脳機能評価や他の神経学的検査項目と混同しやすいです。
- 3. 眼球運動は脳神経(特に動眼神経、滑車神経、外転神経)の評価項目であり、脊髄損傷のASIA評価の主要な構成要素ではありません。正しくは:ASIA評価は眼球運動を直接の評価対象としません。選びやすい理由:脳神経系の評価と関連があるため、神経学的評価全般として選択肢に含まれると迷いやすいです。混同注意:脳神経機能の評価と混同しやすいです。
- 4. 正解。ASIA(ISNCSCI)評価では、最下位の脊髄機能としてS4-5領域の肛門周囲の感覚(軽触覚と針刺激覚)および随意的な肛門括約筋収縮の有無が非常に重要視され、完全損傷か不完全損傷かの判断基準の一つとなります。選びやすい理由:一見すると特異な項目に見えるかもしれませんが、脊髄損傷評価において極めて重要な指標です。混同注意:他の一般的な感覚評価項目と異なり、肛門部に特化しているため、その重要性を見落としやすいかもしれません。
- 5. 深部腱反射の評価は神経学的検査の一部ですが、ASIA評価の運動および感覚レベルの分類に直接含まれる主要な項目ではありません。ASIAは主要な運動筋力とデルマトーム感覚を評価します。正しくは:ASIAは反射の有無や亢進/減弱を直接的な指標として用いず、運動・感覚レベルを主に評価します。選びやすい理由:神経学的評価の一般的な要素であり、脊髄損傷とも深く関連するため、正しい選択肢のように感じやすいです。混同注意:一般的な神経学的検査や、脊髄ショックなどの病態との関連で反射評価が重要であることと混同しやすいです。
国試ポイント
ASIAの評価項目に関する知識は、理学療法士国家試験において頻繁に問われる基本的な内容です。特に、脊髄損傷の完全性(AIS A vs B, C, D)を判断する上でのS4-5領域の重要性は繰り返し出題されます。各選択肢がASIA評価に含まれるか否かを正確に判断できることが求められます。
混同注意
一般的な神経学的評価項目(意識レベル、運動失調、脳神経、反射など)と、脊髄損傷に特化したASIA評価の具体的な項目を混同しやすい。特に、脊髄損傷でも反射や意識レベルが変化することはあるため、ASIA評価の「直接の評価項目」として含まれるかどうかの区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
次に類似の論点が出題された場合、S4-5領域の評価がASIA分類における完全性(AIS A vs B, C, D)の判定にどのように関わるか、また、残存機能としての肛門機能の意義を問う問題が考えられます。また、運動レベル、感覚レベルの具体的な決定方法や、ASIA分類A〜Eの各定義を問う問題も予想されます。
関連知識
ASIA分類(A-E)、感覚レベル・運動レベルの決定方法、キーポイントとなる筋力(MMT)評価、キーポイントとなる感覚(軽触覚・針刺激覚)評価、神経学的レベルと骨格レベルの違い、SAC(仙骨部感覚)の意義、VAC(随意的な肛門括約筋収縮)の意義。