間質性肺疾患の所見で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
間質性肺疾患は、肺胞と毛細血管の間の間質組織に炎症や線維化が生じる疾患群です。これにより、肺の伸展性が低下し肺容量が減少する「拘束性換気障害」がみられます。また、肺胞壁が肥厚することで酸素の拡散能力が低下し、「拡散障害による低酸素血症」を呈します。胸部X線やCTでは、線維化による「網状影や蜂巣肺」などの特徴的な画像所見が確認されます。聴診では、肺胞の虚脱と再開通によって生じる「捻髪音(fine crackles)」が特徴的です。一般的な咳は「乾性咳嗽」で痰を伴わないことが多いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 間質性肺疾患では一般的に痰を伴わない乾性咳嗽が特徴的です。湿性咳嗽は気管支拡張症や慢性気管支炎など、気道に炎症や感染があり分泌物が増加する疾患でよくみられます。正しくは:痰を伴わない乾性咳嗽がみられる。選びやすい理由:咳という症状自体は多くの呼吸器疾患に共通するため、詳細な特徴を把握していないと湿性か乾性かの区別がつきにくいかもしれません。また、一部の患者では感染を併発して湿性咳嗽を呈することもありますが、典型的な所見ではありません。混同注意:慢性気管支炎、気管支拡張症、肺炎など、分泌物が増加する疾患による咳と混同しやすいです。
- 2. 正解。間質性肺疾患では肺胞壁の炎症や線維化により肺胞と毛細血管間の距離が延長・肥厚し、酸素の拡散能力が低下します(拡散障害)。このため、特に労作時に酸素が血液中に十分に取り込まれず、低酸素血症を呈します。
- 3. 間質性肺疾患は肺の線維化により肺が硬くなり、肺容量が減少する拘束性換気障害が特徴です。閉塞性換気障害は気道の狭窄により空気の流れが妨げられる疾患(例:COPD、気管支喘息)でみられます。正しくは:呼吸機能検査では拘束性換気障害を示す。選びやすい理由:呼吸困難という症状から、呼吸機能全体が障害されるという漠然とした理解では、閉塞性・拘束性の区別がつきにくいかもしれません。混同注意:閉塞性換気障害(COPD、喘息)と拘束性換気障害(間質性肺疾患、胸郭疾患、神経筋疾患)の定義とそれぞれの特徴的な検査所見(FEV1/FVC、VC、TLCなど)と混同しやすいです。
- 4. 正解。間質性肺疾患の病理学的特徴である肺の間質の線維化は、胸部単純X線写真において網状影、粒状影、蜂巣肺などの陰影として確認できます。これは疾患の進行度やタイプによって様々ですが、線維化は重要な所見です。
- 5. 間質性肺疾患で聴取される特徴的なラ音は、ベルクロラングとも呼ばれる捻髪音(fine crackles, fine crepitations)です。これは肺胞の虚脱と再開通によって生じます。コースクラックルは気道内の分泌物貯留によって生じる粗い音であり、間質性肺疾患では一般的ではありません。正しくは:聴診では捻髪音(fine crackles)が聴取される。選びやすい理由:呼吸音の異常自体は多くの肺疾患で共通する症状であり、ラ音の種類(捻髪音、水泡音、乾性ラ音など)とその発生機序を正確に理解していないと区別が難しいかもしれません。混同注意:捻髪音(fine crackles)とコースクラックル(coarse crackles)の違い。捻髪音は肺胞の虚脱・再開通、コースクラックルは気道内の分泌物と関連します。
国試ポイント
間質性肺疾患の典型的な臨床所見、呼吸機能検査所見、画像所見、聴診所見を正確に理解しているかを問う問題です。特に、拘束性換気障害と閉塞性換気障害、捻髪音とコースクラックルの違いなど、類似する概念との鑑別が重要です。
混同注意
閉塞性換気障害(COPD、気管支喘息)と拘束性換気障害(間質性肺疾患、胸郭疾患、神経筋疾患)。捻髪音(fine crackles)とコースクラックル(coarse crackles)。乾性咳嗽と湿性咳嗽。間質性肺炎と肺線維症。
次に同じ論点が出たら
患者の呼吸機能検査結果が与えられた際に、閉塞性か拘束性かを判断できるか。胸部画像や聴診所見から疾患の可能性を絞り込めるか。
関連知識
呼吸器系の解剖生理、呼吸機能検査の指標(VC、TLC、FEV1/FVCなど)、胸部X線・CTの主要な病変パターン、聴診所見の種類と発生機序、低酸素血症のメカニズム。