男性生殖器系で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
性的刺激によって引き起こされる勃起は、単なる脊髄反射だけでなく、大脳皮質や辺縁系といった高次脳機能が関与する複雑なプロセスです。特に辺縁系は感情や本能的な行動の中枢であり、性的興奮や性欲の形成、そしてそれらが自律神経系を介して身体反応(勃起など)に結びつく過程において重要な役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. 勃起反射の中枢は主に仙髄(S2-S4)にあります。腰髄は交感神経系の関与がありますが、反射中枢ではありません。正しくは:勃起反射の中枢は仙髄(S2-S4)に位置します。選びやすい理由:脊髄のどこかが関与しているという点で部分的に正しいように感じやすいですが、正確な部位が問われています。混同注意:脊髄の部位と役割(交感神経、副交感神経)を混同しやすいです。
- 2. 陰茎海綿体神経(骨盤内臓神経に由来する副交感神経)は、陰茎動脈を弛緩させ、陰茎海綿体への血液流入を促進することで勃起を引き起こします。動脈を収縮させるのは交感神経の作用です。正しくは:陰茎海綿体神経は、陰茎動脈の弛緩を引き起こす作用があります。選びやすい理由:神経が血管に作用するという点は正しいですが、その作用が逆になっています。混同注意:交感神経と副交感神経の作用を混同しやすいです。特に勃起には副交感神経が関与し、血管拡張を促します。
- 3. 射精は、精管や精嚢、尿道などの収縮運動によって起こり、主に交感神経系の支配下にあります。勃起は副交感神経、射精は交感神経と覚えるのが一般的です。正しくは:射精は、主に交感神経の働きによって起こります。選びやすい理由:性的活動全体が副交感神経と関連すると誤解しやすいため、勃起と射精の神経支配を混同する可能性があります。混同注意:勃起(副交感神経)と射精(交感神経)の神経支配を混同しやすいです。
- 4. 正解。辺縁系は、感情、意欲、記憶、そして性行動などの本能的な行動や情動反応に深く関与しています。視覚や触覚などの性的刺激が大脳皮質から辺縁系へ伝達され、そこから自律神経系を通じて勃起が誘発されます。選びやすい理由:脳の複雑な機能の中で、辺縁系の役割は広い範囲にわたるため、正答として選びにくいと感じる学生もいるかもしれません。混同注意:脳のどの部位がどのような本能的・情動的な反応に関わるかについて、大脳皮質、視床下部など他の部位との関連性を混同しやすいです。
- 5. 射精された精子は、女性の生殖器内で数日間(通常は2〜5日程度)生存可能です。数週間という期間は誤りです。正しくは:射精された精子は、女性の腟内で数日間程度生存します。選びやすい理由:精子が女性の体内で生存するという事実は正しいですが、その期間が過大評価されています。混同注意:精子の生存期間を卵子の生存期間や受精可能期間と混同しやすいです。
国試ポイント
男性生殖器系の神経支配(勃起と射精の自律神経)、精子の生存期間、および脳機能(辺縁系の役割)に関する基本的な知識が問われています。特に、自律神経の各作用と具体的な反射中枢の位置は頻出です。
混同注意
勃起と射精の神経支配(副交感神経 vs 交感神経)、反射中枢の正確な位置(仙髄 vs 腰髄)、精子の生存期間の長さなどが混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず勃起と射精のどちらについて問われているかを確認し、それぞれに対応する自律神経(副交感神経と交感神経)と反射中枢の部位(仙髄と腰髄/胸髄)を正確に想起することが重要です。また、精子の生存期間などの具体的な数値も確認しましょう。
関連知識
勃起の生理学(NO-cGMP経路)、自律神経系の解剖と生理学、女性の生殖器系における精子の輸送と受精のメカニズム、脳の機能局在(特に辺縁系の詳細な機能)。