排尿に関与する神経で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
排尿に関わる自律神経において、交感神経(下腹神経)は膀胱排尿筋を弛緩させ、内尿道括約筋を収縮させることで蓄尿を促進します。これにより、膀胱に尿が溜まることができます。一方、副交感神経(骨盤神経)は膀胱排尿筋を収縮させ、内尿道括約筋を弛緩させることで排尿を促進します。
選択肢ごとの解説
- 1. 排尿の主要な中枢は、橋(橋排尿中枢)および大脳皮質(排尿抑制、排尿促進に関与)にあります。延髄は呼吸や循環など生命維持に重要な中枢ですが、排尿の主要中枢ではありません。正しくは:排尿の主要な中枢は橋(橋排尿中枢)に位置しています。選びやすい理由:脳のどこかに中枢があることは確かであるため、選択肢としてあり得るように感じてしまうかもしれません。延髄には自律神経の中枢が一部あるため、関連性を誤解しやすいです。混同注意:延髄の役割(呼吸、循環中枢)と橋の役割(排尿中枢、嚥下中枢の一部など)を混同しやすいです。
- 2. 外尿道括約筋は骨格筋であり、体性神経である陰部神経(S2-S4)によって支配されています。下腹神経は交感神経の一部で、膀胱排尿筋の弛緩や内尿道括約筋の収縮に関与します。正しくは:外尿道括約筋は陰部神経の支配を受けています。選びやすい理由:膀胱や尿道周囲の神経支配は複雑であり、いずれかの神経が関与していることは間違いないため、詳細を覚えていないと判断に迷いやすいです。混同注意:自律神経(下腹神経:交感神経)と体性神経(陰部神経)の支配を混同しやすいです。また、内尿道括約筋と外尿道括約筋の支配神経を混同しやすいです。
- 3. 内尿道括約筋は不随意筋であり、交感神経(下腹神経、Th11-L2)によって支配され、収縮することで蓄尿時に尿が漏れるのを防ぎます。陰部神経は体性神経であり、外尿道括約筋(随意筋)の支配に関与します。正しくは:内尿道括約筋は下腹神経(交感神経)の支配を受けています。選びやすい理由:内尿道括約筋も外尿道括約筋も尿道に関わるため、同じ陰部神経支配であると誤解しやすいです。混同注意:内尿道括約筋(不随意筋、交感神経支配)と外尿道括約筋(随意筋、体性神経支配)の支配神経を混同しやすいです。
- 4. 正解。交感神経(下腹神経)は膀胱排尿筋を弛緩させ、内尿道括約筋を収縮させることで、尿の蓄積(蓄尿)を促進します。選びやすい理由:自律神経の働きは拮抗することが多いため、排尿における交感神経と副交感神経の役割を理解していれば正答できます。混同注意:交感神経が「興奮」や「活動」をイメージさせるため、膀胱も収縮させて排尿を促す方向に働くのではないかと誤解しやすいです。実際は蓄尿に関与します。
- 5. 膀胱の副交感神経(骨盤神経)は仙髄(S2-S4)に起源を持ちます。第11胸髄から第2腰髄レベルは、交感神経が起始する部位です。正しくは:副交感神経経路は仙髄(S2-S4)レベルに起源を持ちます。選びやすい理由:自律神経の経路が胸腰髄から出るものと仙髄から出るものがあることを知っていると、どちらかの選択肢を選ぶ際に迷いが生じやすいです。混同注意:交感神経(胸腰髄)と副交感神経(脳幹・仙髄)の起始部位を混同しやすいです。
国試ポイント
排尿機能における自律神経(交感神経、副交感神経)と体性神経(陰部神経)の各々の役割、および支配部位(中枢、起始レベル)について正確な知識が問われています。特に、どの神経が膀胱や尿道括約筋の収縮・弛緩にどのように関与するか、またその機能が蓄尿と排尿のどちらに働くかを理解しているかが重要です。具体的な神経名とその支配筋、および自律神経の起始レベル(胸腰髄 vs 仙髄)が頻出論点です。
混同注意
自律神経(交感神経、副交感神経)の拮抗的な作用と、体性神経(陰部神経)の随意的な作用を混同しやすいです。また、内尿道括約筋と外尿道括約筋、膀胱排尿筋それぞれの支配神経とその機能(収縮/弛緩、蓄尿/排尿)を正確に区別することが難しいと感じる受験生が多いです。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出題された場合、まず各神経(交感神経、副交感神経、陰部神経)がどの臓器(膀胱排尿筋、内尿道括約筋、外尿道括約筋)に作用するか、そしてそれが収縮か弛緩か、結果として蓄尿か排尿かを一つずつ確認すること。さらに、それらの神経の起始部位が胸腰髄レベルか仙髄レベルかも合わせて確認すると良いでしょう。
関連知識
橋排尿中枢、大脳皮質における排尿制御、排尿反射弓、仙髄神経核、脊髄損傷と排尿機能障害(反射性膀胱、弛緩性膀胱など)、膀胱直腸障害。