伸張反射について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
痙縮は上位運動ニューロンの障害により、抑制系の機能不全が起こり、伸張反射が過剰に亢進する状態を指します。筋の伸張速度依存性に抵抗が増大することが特徴です。したがって、「伸張反射が低下する」という記述は明らかに誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は正しいです。筋紡錘は筋肉の長さの変化とその速度を検出する受容器です。正しくは:記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:正しい内容なので、誤りを探していると選ばないでしょう。混同注意:他の反射弓の構成要素(例:ゴルジ腱器官)の機能と混同する可能性は低いですが、役割を正確に理解しておく必要があります。
- 2. 正解。痙縮(spasticity)は、上位運動ニューロン障害によって伸張反射が亢進した状態を指します。したがって、伸張反射が低下するという記述は誤りです。正しくは:痙縮では伸張反射が亢進します。選びやすい理由:反射が「正常な状態から変化する」という漠然としたイメージから、低下を連想する可能性がありえます。しかし、痙縮の本質は反射の亢進です。混同注意:弛緩性麻痺など、反射が低下する病態と混同する可能性があります。
- 3. この記述は正しいです。筋紡錘からの求心性神経(Ia群線維)が脊髄のα運動ニューロンに直接結合し、単シナプス反射を形成します。正しくは:記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:正しい内容なので、誤りを探していると選ばないでしょう。混同注意:複数のシナプスを介する多シナプス反射(例:屈曲反射)と混同する可能性がありますが、伸張反射は典型的な単シナプス反射です。
- 4. この記述は正しいです。筋紡錘からのIa群求心性神経は、脊髄前角の同名筋を支配するα運動ニューロンに直接興奮性のシナプス結合を形成します。正しくは:記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:正しい内容なので、誤りを探していると選ばないでしょう。混同注意:γ運動ニューロンや、拮抗筋を支配する運動ニューロンとの関連(介在ニューロンを介した抑制)と混同する可能性はあります。
- 5. この記述は正しいです。錘外筋線維(通常の筋線維)が引き伸ばされると、その中にある筋紡錘の錘内筋線維も受動的に伸長され、感覚終末が興奮して活動電位の頻度が増加します。これがIa群神経を介して伝えられます。正しくは:記述は正しいので修正不要です。選びやすい理由:正しい内容なので、誤りを探していると選ばないでしょう。混同注意:α運動ニューロンとγ運動ニューロンの役割の違い、あるいは錘内筋線維と錘外筋線維それぞれの役割と混同する可能性がありえます。
国試ポイント
伸張反射の基本的なメカニズム、反射弓の構成要素、および病的な反射亢進の代表例である痙縮との関連について問われています。特に、痙縮が伸張反射の亢進であることを理解しているかが重要です。
混同注意
反射亢進と反射低下の概念、およびそれぞれを呈する代表的な疾患(例:上位運動ニューロン障害と下位運動ニューロン障害)は混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、伸張反射の各構成要素の機能、単シナプス反射であることの理解、および痙縮などの病態における伸張反射の変化(亢進か低下か)を正確に判断できるかが問われるでしょう。また、ゴルジ腱反射など他の脊髄反射との違いも重要です。
関連知識
伸張反射の生理学的役割(姿勢保持、筋緊張の維持)、反射弓の構成要素(筋紡錘、Ia群求心性神経、α運動ニューロン、効果器)、γループ、α-γ連関、ゴルジ腱反射、屈曲反射(多シナプス反射)との比較。痙縮の評価法(Ashworth Scaleなど)も関連知識として重要です。