視床痛で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
視床痛は中枢性疼痛の一種で、視床の病変によって引き起こされます。特徴的な症状として、通常は痛みを伴わない軽い触覚や温度変化などの非侵害刺激が激しい痛みとして感じられる「異痛症(allodynia)」があります。これは、侵害受容器が活性化されていないにもかかわらず痛みを感じる状態です。
選択肢ごとの解説
- 1. 視床痛は中枢神経系に起因する中枢性疼痛であり、CRPS I型(旧RSD)のような末梢神経系の損傷を伴わない、あるいは不明な状態とは異なります。正しくは:視床痛は、中枢神経系疾患によって引き起こされる中枢性疼痛です。選びやすい理由:どちらも難治性の疼痛症候群であるため、関連があるように感じやすいかもしれません。混同注意:CRPSは末梢神経系の機能異常が主な病態であり、視床痛は中枢神経系の機能異常が主な病態であるため、両者は明確に区別されます。
- 2. 視床痛は脳卒中発症直後から出現することは稀で、通常は数週間から数ヶ月後に遅れて発症することが一般的です。正しくは:視床痛は、脳卒中発症から数週間〜数ヶ月後に遅れて出現することが多いです。選びやすい理由:脳卒中が原因であるため、すぐに症状が出ると思い込みやすいかもしれません。混同注意:脳卒中の急性期症状(麻痺、感覚障害など)と、その後に続発する中枢性疼痛である視床痛の発症時期とを混同しやすいです。
- 3. 視床痛では、特定の刺激(聴覚、触覚、温覚など)によって痛みが誘発されたり増強されたりすることがありますが、緩和されることは稀です。むしろ異痛症などにより増悪することがあります。正しくは:視床痛では、非侵害刺激(触覚や聴覚など)で痛みが増強したり、痛みが誘発されたりすることがあります。選びやすい理由:疼痛治療において感覚刺激が用いられるケースもあるため、緩和する可能性を連想するかもしれません。混同注意:異痛症(allodynia)や痛覚過敏(hyperalgesia)といった感覚異常と、痛みの緩和を混同しやすいです。
- 4. 正解。視床痛の典型的な特徴の一つに異痛症(allodynia)があります。これは、通常では痛みを感じないような非侵害刺激(例:軽く触れる、衣服が触れる、冷気など)が、痛みとして感じられる状態を指します。選びやすい理由:正しい記述です。
- 5. レルミット徴候は、通常、頸部の屈曲時に脊髄(特に後索)に電気様の痛みが放散する症状であり、多発性硬化症や脊髄疾患などで見られることが多いです。視床痛とは直接関連しません。正しくは:レルミット徴候は、頸部を屈曲した際に脊髄疾患などで出現する症状です。選びやすい理由:中枢神経系の症状であるため、関連があるように感じやすいかもしれません。混同注意:中枢神経系の症状全般と、特定の疾患や部位に特徴的な症状とを混同しやすいです。レルミット徴候は脊髄病変を示唆するサインです。
国試ポイント
視床痛の病態生理と臨床症状、特に異痛症の特徴が問われています。他の選択肢は、CRPSとの鑑別、発症時期、刺激による変化、別の神経症状(レルミット徴候)との区別に関する知識を試すものです。
混同注意
異痛症と痛覚過敏(hyperalgesia)、または通常は痛みを伴わない感覚異常(しびれなど)と混同しやすいですが、異痛症は「非侵害刺激が痛みとして知覚される」という点が重要です。また、CRPSやレルミット徴候など、他の神経系疾患や症状との鑑別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、視床痛の「痛みの質(灼熱痛、うずくような痛みなど)」や「随伴症状(自律神経症状など)」、あるいは「治療法の特徴」などが問われる可能性があります。また、異痛症のメカニズムや、他の原因による中枢性疼痛(例:脊髄損傷後疼痛)との違いもチェックすべき点です。
関連知識
視床は感覚の中継地点であるため、その障害は様々な感覚異常(痛み、しびれ、感覚鈍麻など)を引き起こします。特に視床痛は、感覚経路の脱抑制や中枢性感作が関与すると考えられています。治療は薬物療法が中心ですが、難治性であることも多いです。