イラスト風に描かれた人物のセリフを書き込む形式の心理検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
P-Fスタディ(Picture-Frustration Study)は、ロージンツヴァイクによって開発された投映法検査で、欲求不満状況が描かれた漫画形式のイラストが提示されます。被験者は、欲求不満を引き起こす人物のセリフと、欲求不満を経験している人物の空白のセリフ欄に、自分がその状況にいたらどのように反応するかを書き込みます。これにより、個人の欲求不満耐性や反応様式(例:攻撃の方向、反応の種類)を分析します。設問の「イラスト風に描かれた人物のセリフを書き込む形式の心理検査」という説明に最も適切に合致するのはP-Fスタディです。
選択肢ごとの解説
- 1. SCT(Sentence Completion Test)は、未完成の文章の続きを自由に記述することで回答する投映法検査です。イラスト中の人物のセリフを書き込む形式ではありません。正しくは:文章の書き出しが与えられ、その続きを自由に記述する形式です。選びやすい理由:自由記述式の投映法検査であるため、類似性から混同しやすい可能性があります。混同注意:P-Fスタディのような絵画統覚検査や、描画テストと混同しやすいかもしれません。
- 2. 正解。P-Fスタディは、欲求不満状況を描いた複数の漫画形式のイラストが提示され、登場人物の一人のセリフが空白になっている部分に、自分がその状況に置かれたとしてどのような言葉を発するかを書き込む形式の心理検査です。これは設問の「イラスト風に描かれた人物のセリフを書き込む形式」に完全に合致します。選びやすい理由:イラストを用いる検査の代表例であるため、名称を知っていれば選択しやすいです。
- 3. バウムテストは、被験者に一本の木を描いてもらい、その絵からパーソナリティを分析する描画法検査です。イラストにセリフを書き込む形式ではありません。正しくは:被験者に一本の木を描いてもらう描画法検査です。選びやすい理由:心理検査、特に投映法検査の一種であるため、他の投映法と混同されやすいです。混同注意:絵を描く検査という点で、他の描画テストや、絵を用いる他の投映法検査と混同する可能性があります。
- 4. モーズレイ性格検査(Maudsley Personality Inventory)は、性格の因子(神経症傾向、外向性-内向性など)を測定するための質問紙法検査です。イラストにセリフを書き込む形式ではありません。正しくは:質問項目に対して「はい」か「いいえ」で回答する質問紙法検査です。選びやすい理由:心理検査として広く知られているため、選択肢として目につきやすいです。混同注意:投映法検査とは異なる質問紙法検査であり、検査形式自体が大きく異なりますが、心理検査という大きなカテゴリで混同するかもしれません。
- 5. NEO-PI-Rは、ビッグファイブ理論に基づいて性格特性(外向性、協調性、誠実性、神経症傾向、経験への開放性)を測定する質問紙法検査です。イラストにセリフを書き込む形式ではありません。正しくは:多数の質問項目に回答することでパーソナリティを測定する質問紙法検査です。選びやすい理由:これも著名な性格検査であり、心理学の知識がある受験者にとっては魅力的な選択肢に見えるかもしれません。混同注意:質問紙法検査であるため、投映法検査とは形式が異なりますが、著名な性格検査であるため、名前を知っていると選んでしまう可能性があります。
国試ポイント
この問題は、主要な心理検査の具体的な検査形式や実施方法を正確に理解しているかを問うものです。特に、投映法検査の中でも、特定の形式を持つ検査(P-Fスタディのセリフ書き込み形式、SCTの文章完成形式、描画法のバウムテストなど)の特徴を区別できるかが重要となります。質問紙法検査と投映法検査の基本的な違いも押さえておく必要があります。
混同注意
投映法検査は多様な形式があるため、SCT(文章完成)や描画法(バウムテスト、HTPテストなど)と混同しやすいです。また、質問紙法検査との区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各心理検査の具体的な実施方法や、何を図るための検査なのか(例:パーソナリティ、知能、発達、認知機能)という点に注目して選択肢を判断します。特に投映法検査については、与えられた刺激(絵、文章、インクの染みなど)と、それに対する被験者の反応(言葉、描画、物語など)の組み合わせを正確に把握しておく必要があります。
関連知識
心理検査は、大きく分けて質問紙法と投映法、作業検査法などに分類されます。質問紙法は客観的なデータが得られやすいですが、自己報告バイアスが生じる可能性があります。投映法は被験者の無意識的な側面を捉えやすいですが、解釈が専門的であり客観性に課題があります。P-Fスタディは欲求不満場面での反応様式を類型化して評価するため、ある程度の客観的評価も可能とされています。その他の投映法には、TAT(主題統覚検査)、ロールシャッハテストなどがあります。