心電図(別冊No. 1 ①~⑤)を別に示す。心電図と所見の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
心電図③は、P波を伴わない幅広いQRS波が早期に出現しており、心室性期外収縮の特徴を示しています。心電図④は、正常とは異なるP波が早期に出現し、それに続いて正常なQRS波が認められるため、心房性期外収縮と診断できます。残りの選択肢は、示された心電図と対応する所見が一致しません。
選択肢ごとの解説
- 1. 心房細動の典型的な特徴であるP波の消失や基線の不整、RR間隔の不規則性が見られません。心電図①は洞調律を示しており、不整脈の兆候はありません。正しくは:心電図①は正常洞調律です。選びやすい理由:不整脈の種類が多いので、どれか当てはまるのではないかと推測してしまうかもしれません。混同注意:他の不整脈、特に期外収縮や頻拍と混同しやすいです。
- 2. 心電図②は洞調律であり、P波に続くQRS波が規則的に出現しています。心拍数も正常範囲内(約75拍/分)であり、徐脈の基準(60拍/分未満)を満たしていません。正しくは:心電図②は正常洞調律です。選びやすい理由:脈が遅く見える、または洞性徐脈の診断基準を曖昧に理解している場合に選択しやすいかもしれません。混同注意:洞性頻脈や他の徐脈性不整脈と混同する可能性があります。
- 3. 正解。心電図③では、通常のQRS波に先行しない、幅広く変形したQRS波が認められます。これは心室由来の異常興奮を示唆する所見であり、心室性期外収縮に特徴的です。
- 4. 正解。心電図④では、通常のP波とは異なる形をしたP波が早期に出現し、それに続くQRS波も通常の形をしています。これは心房内の異所性興奮に起因するものであり、心房性期外収縮の典型的な所見です。
- 5. 心電図⑤は、心拍数約75拍/分の正常洞調律です。発作性上室性頻拍の特徴である突然の頻脈(通常150拍/分以上)や、P波が判別しにくい、またはQRS波に隠れるといった所見は見られません。正しくは:心電図⑤は正常洞調律です。選びやすい理由:頻拍性不整脈の知識が不確かな場合、正常な心電図を誤って頻拍と判断する可能性があります。混同注意:洞性頻脈や心室頻拍など、他の頻拍性不整脈と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、基本的な不整脈の心電図所見を正確に識別できるかを問うものです。特に期外収縮(心房性、心室性)の判別が重要となります。複数の選択肢を選ぶ形式であり、各心電図の特徴を網羅的に理解しているかが試されます。
混同注意
心房性期外収縮と心室性期外収縮の鑑別、また頻拍性不整脈(洞性頻脈、心房細動、発作性上室性頻拍など)と徐脈性不整脈の識別が混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、①個々の不整脈の心電図波形の特徴(P波の有無・形、QRS波の幅・形、RR間隔、P-R間隔)を正確に識別できるか、②心拍数の計算と正常範囲の把握、③代表的な不整脈の分類(上室性/心室性、徐脈/頻脈、規則的/不規則的)に基づいて判断できるか、が重要となります。
関連知識
心電図の判読におけるP波、QRS波、T波の正常波形と持続時間、RR間隔の規則性、心拍数の計算方法。各不整脈(期外収縮、細動、頻拍、徐脈など)の典型的な心電図波形の特徴。上室性不整脈と心室性不整脈の違い。