関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会が定める関節可動域測定基準では、各関節の測定肢位、計測方法、基準値が詳細に規定されています。選択肢3の「母指掌側外転」と選択肢5の「肩外旋」は、この基準に沿った適切な表現であり、測定項目として明確に定められています。他の選択肢は、一般的に使われる用語ではあるものの、測定基準の文脈においては、より詳細な測定部位や方法が記述されるべきである点で不適切と判断されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 手関節の伸展測定は、前腕の中央を基線とし、手背の第3中手骨を移動線として測定します。選択肢1では「手伸展」とだけあり、どの関節の伸展を指すのか不明瞭です。特に手の関節は複数あり、文脈から手関節と仮定しても測定方法の詳細が不足しています。また、そもそも手関節伸展は基準で定められている測定項目ですが、他の選択肢に明確な誤りがない場合、より具体的な記述が求められます。正しくは:手関節伸展の測定基準に照ららし、測定方法を明確にする。選びやすい理由:「手伸展」という言葉自体は一般的な動きを指すため、誤りではないように思える。混同注意:手関節の伸展は測定対象となる運動であるため、正しい選択肢と誤解しやすい。
- 2. 手関節の橈屈測定は、前腕の中央を基線とし、第3中手骨を移動線として測定します。選択肢2では「手橈屈」とだけあり、どの関節の橈屈を指すのか不明瞭です。手の関節は複数あり、手関節と仮定しても測定方法の詳細が不足しています。また、手関節の橈屈は日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準において測定項目として定められていますが、その表現が不十分である点が問題です。正しくは:手関節橈屈の測定基準に照らし、測定方法を明確にする。選びやすい理由:「手橈屈」という言葉は一般的な運動を示すため、正しいように思える。混同注意:手関節の橈屈は測定対象となる運動であるため、正しい選択肢と誤解しやすい。
- 3. 正解。母指の掌側外転は、日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準において、測定項目として明確に定められています。通常、母指MP関節を測定対象とし、掌平面からの外転角度を測定します。この表現は基準に準拠しています。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:他のより一般的な関節運動の選択肢と比較して、専門的な用語に見えるため、正解から外す可能性もある。混同注意:母指の動きは複雑で、他の選択肢の方が身近な運動に見えるため、正解を選びにくいかもしれない。
- 4. 股関節伸展の測定は、体幹側面の中央腋窩線を基線とし、大腿骨外側上顆を通る線を移動線として測定します。選択肢4では「股伸展」とだけあり、股関節伸展を指していると推測されますが、詳細な測定方法や部位が不明瞭です。特に、基準ではより詳細な記述が求められるため、単に「股伸展」とするのは不十分です。正しくは:股関節伸展の測定基準に照らし、測定方法を明確にする。選びやすい理由:「股伸展」は日常的に用いられる運動であり、正しいように思える。混同注意:股関節伸展は重要な関節運動であり、測定対象であるため、正しい選択肢と誤解しやすい。
- 5. 正解。肩関節の外旋は、日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準において、測定項目として明確に定められています。通常、上腕骨長軸を移動線とし、肘関節を90度屈曲位に保ちながら前腕の移動を測定します。この表現は基準に準拠しています。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:他の選択肢と比べて、特に注意すべき点がないため、単に正しいと判断しやすい。混同注意:肩関節の運動は多岐にわたるため、他の運動と混同する可能性もある。
国試ポイント
関節可動域測定法における日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準の正確な知識が問われています。特に、各関節の測定部位、基準線、移動線、そして測定に用いる用語の正確性を理解している必要があります。設問は「正しいのはどれか」を2つ選ぶ形式であり、各選択肢の表現の妥当性を厳密に判断する能力が求められます。
混同注意
本問題は、関節の運動名が一般的に使われるものと専門的な測定基準で使われる表現との違いを理解しているかどうかがポイントです。例えば、「手伸展」や「股伸展」といった表現は日常的には問題なく通じますが、厳密な測定基準においては、どの関節(手関節、指節間関節など)の、どのような肢位での、どの動きを指すのかが不明瞭であるため、不適切とみなされます。これに対し、「母指掌側外転」や「肩外旋」は、基準における特定の測定項目を指す明確な表現です。
次に同じ論点が出たら
もしこの問題に間違えた場合、各関節の可動域測定の基本肢位、基準線、移動線、そして各運動の名称と定義について、基準書を再確認する必要があります。特に、似たような運動名でも、測定基準における正式名称や測定部位が異なる場合があるため、注意深く学習することが重要です。また、各選択肢がなぜ正解または不正解なのかを具体的な測定方法と照らし合わせて説明できるようになることを目指しましょう。
関連知識
関節可動域測定は理学療法の評価において非常に基礎的かつ重要な項目です。日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準は、標準的な測定方法を提供し、測定者間の誤差を減らし、客観的な評価を可能にするために策定されています。この基準には、各関節の基本肢位、最終域での計測、ゴニオメーターの使用方法などが含まれます。また、主要な関節(肩、肘、手、股、膝、足など)の各運動(屈曲、伸展、内転、外転、内外旋など)について、それぞれ詳細な測定方法が規定されています。