排便の生理で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
食事を摂ることで、胃に食物が入り、これが刺激となって大腸の蠕動運動が活発になる「胃大腸反射」が起こります。この反射は、排便を促す生理的なメカニズムの一つであり、食後の便意の要因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 排便中枢は仙髄(S2-4)に存在します。腰髄ではありません。正しくは:排便を制御する中枢は仙髄に存在します。選びやすい理由:脊髄の一部であるため、位置に関する知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:排尿中枢(仙髄)や、他の自律神経中枢の場所と混同しやすいです。
- 2. 外肛門括約筋は横紋筋であり、随意的に収縮・弛緩させることができます。平滑筋は内肛門括約筋です。正しくは:外肛門括約筋は横紋筋で構成されています。選びやすい理由:内肛門括約筋が不随意筋(平滑筋)であるため、混同してしまいやすいです。混同注意:内肛門括約筋(平滑筋)と外肛門括約筋(横紋筋)の区別が曖昧だと誤りやすいです。
- 3. 正解。胃大腸反射は、胃に食物が入ることで大腸の蠕動運動が活発化し、排便を促す反射です。食事と排便の関連を示す重要な生理現象です。選びやすい理由:排便の生理機序として自然な連動であるため、比較的選びやすい選択肢です。混同注意:他の消化管反射(胃結腸反射など)と意味合いは同じですが、用語の正確性を問われることがあります。
- 4. 体幹を前屈させると、恥骨直腸筋が弛緩し、肛門直腸角は鈍角になります。これにより排便が促進されます。鋭角になると便は出にくくなります。正しくは:体幹を前屈させると、肛門直腸角は鈍角になります。選びやすい理由:前屈することで排便がしやすくなるという感覚的な理解から、何かしらの角度変化があるというところまで合っていても、鋭角か鈍角かを間違えやすいです。混同注意:「鋭角になると便が出にくい」「鈍角になると便が出やすい」という関係性を混同しやすいです。
- 5. 便意は、直腸壁が糞便によって伸展刺激されることで発生します。結腸は便を貯留する場所であり、通常は結腸の伸展で便意を感じることはありません。正しくは:便意は、直腸壁が糞便によって伸展刺激されることで発生します。選びやすい理由:便意が消化管の伸展によって生じるという点は正しいですが、その部位が「結腸」と「直腸」で誤っているため、知識が不正確だと選びやすいです。混同注意:直腸と結腸の機能の違い、特に便意の発生部位を混同しやすいです。
国試ポイント
排便の生理に関する基本的な知識、特に反射、筋の種類、中枢の場所、解剖学的な角度変化、便意発生のメカニズムについて正確な理解が問われます。具体的な臓器名や筋肉の種類、角度の方向性など、細部の知識が重要です。
混同注意
排便に関わる複数の反射や筋肉(内・外肛門括約筋)、脊髄の異なる部位にある中枢(腰髄と仙髄)、消化管の各部位の機能(結腸と直腸)が混同されやすいです。また、肛門直腸角の変化の方向(鋭角と鈍角)も間違いやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、排便だけでなく排尿反射の中枢や関連筋肉(膀胱括約筋など)の知識、消化管運動を促進・抑制する因子、加齢に伴う排便機能の変化なども確認すると良いでしょう。
関連知識
排便反射、排尿反射、自律神経系(交感神経・副交感神経)、骨盤底筋群の機能、消化管の解剖と生理、過敏性腸症候群などの関連疾患。