フィードバックの説明で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
同時フィードバックは、運動課題の実行中にリアルタイムで情報を提供する方法です。これは運動学習の場面で広く用いられる概念であり、その定義は重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 平均フィードバックは、複数の試行が終了した後に、それらの結果をまとめて平均的な情報として提供されるものです。個々の試行ごとではありません。正しくは:平均フィードバックは、複数の試行の後に、それらの結果をまとめて平均的な情報として提供されます。選びやすい理由:「平均」という言葉から、何となくこまめに情報が与えられるイメージを持つかもしれませんが、これは複数の試行の後にまとめて与えられるものです。混同注意:試行ごとに行われる個別フィードバックや同時フィードバックと混同しやすいです。
- 2. 帯域幅フィードバックは、学習者のパフォーマンスが特定の許容範囲(帯域幅)を超えた場合にのみ提供されるフィードバックです。複数回の結果をまとめて与えるのは要約フィードバックや平均フィードバックの特性です。正しくは:帯域幅フィードバックは、学習者のパフォーマンスが事前に設定された許容範囲(帯域幅)を逸脱した場合にのみ提供されます。選びやすい理由:「幅」という言葉から「まとめて」という連想をするかもしれませんが、これは誤差の許容範囲を指します。混同注意:要約フィードバックや平均フィードバックの定義と混同しやすいです。
- 3. 正解。同時フィードバック(Concurrent Feedback)は、文字通り運動の実行と同時に、つまり運動中にリアルタイムで提供されるフィードバックを指します。例えば、トレッドミル歩行中の速度や傾斜の調整指示などがこれにあたります。選びやすい理由:この記述は明確で、他の誤答選択肢が明確な誤りであるため選びやすいです。混同注意:終末フィードバック(運動終了後に与えられる)と対比される概念です。
- 4. 漸減的フィードバックは、学習の初期段階では頻繁にフィードバックを与え、学習が進むにつれてその頻度を段階的に減少させていく方法です。誤差が一定の幅を外れた場合に与えるのは帯域幅フィードバックの特性です。正しくは:漸減的フィードバックは、学習の進行とともにフィードバックの頻度を徐々に減少させていく方法です。選びやすい理由:「漸減的」という言葉から「減らす」という連想は正しいですが、「誤差が一定の幅を外れた場合」という条件付けが誤りです。混同注意:帯域幅フィードバックや、要約フィードバック(まとめて減らす)と混同しやすいです。
- 5. 要約フィードバックは、複数回の試行の結果をまとめて情報として提供する方法です。学習の進行に伴い頻度を減らすのは漸減的フィードバックの特性です。正しくは:要約フィードバックは、複数回の試行が終了した後、それらの結果をまとめて一つの情報として提供されます。選びやすい理由:「要約」という言葉から、フィードバックの量や頻度が減るというイメージを持つかもしれませんが、これは情報の提示方法であり、頻度を減らすのは漸減的フィードバックです。混同注意:漸減的フィードバック、あるいは帯域幅フィードバックと混同しやすいです。
国試ポイント
運動学習における各種フィードバックの定義と特性を正確に理解しているかが問われています。特に、名称と機能の組み合わせを正確に把握することが重要です。似たような名称のフィードバックと混同させやすい選択肢が複数含まれるパターンです。
混同注意
平均フィードバック、帯域幅フィードバック、同時フィードバック、漸減的フィードバック、要約フィードバック、そして終末フィードバックなど、フィードバックの種類は多岐にわたるため、それぞれの定義と特徴を正確に区別することが求められます。特に「いつ」「どのように」フィードバックが与えられるかという点が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各フィードバックの定義だけでなく、それぞれのフィードバックがどのような状況(例:学習初期、熟練者)で効果的か、または非効果的かという応用的な知識が問われる可能性があります。
関連知識
運動学習理論(Schimdtのスキーマ理論、Adamsの閉ループ理論など)、フィードバックのタイプ(知識の結果KR、遂行の知識KP)、フィードバックの頻度とタイミング(高頻度vs低頻度、即時vs遅延)、指導による学習の促進・阻害要因。