正常な小児の背臥位からの立ち上がりプロセスを図に示す。このプロセスを辿る月齢はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
下図に示される背臥位からの直接的な立ち上がり(手を使わない、体幹のコントロールを要する)は、運動発達がかなり進んだ段階で獲得される動作です。これは5歳児(60か月)の平均的な発達段階で見られます。それ以前の月齢では、何かに捕まる、手で体を支えるなど、何らかの補助を用いて立ち上がることが一般的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 8か月の乳児は、通常、四つ這いやつかまり立ちを始める時期であり、背臥位から完全に自立して立ち上がる複雑な運動パターンはまだ見られません。この月齢では、這い這いや座る動作が中心です。正しくは:背臥位からの立ち上がりは、より複雑な運動発達段階で習得されます。選びやすい理由:乳児期の運動発達が目覚ましい時期ではありますが、この動作はまだ早期です。混同注意:乳児期の各月齢で獲得される主要な運動機能との混同。
- 2. 13か月頃の幼児は、一人歩きを始めることが多いですが、背臥位から立ち上がる際には、何かに捕まったり、手を使って段階的に起き上がることが一般的です。図に示されているような、手を使わずに直接立ち上がるような洗練された動きはまだ難しい段階です。正しくは:13か月では、つたい歩きや一人歩きが中心で、起き上がりには補助が必要です。選びやすい理由:歩行開始時期と重なるため、立ち上がりもできると考えがちですが、その質が異なります。混同注意:歩行能力と、手を使わない洗練された起き上がり能力の混同。
- 3. 24か月(2歳)の幼児は、走る、跳ぶなど高度な運動能力を獲得し始めていますが、背臥位から手を使わずに直接立ち上がるという動作は、さらに複雑なバランス感覚と筋力を要するため、まだ一般的ではありません。多くの場合は、寝返りから腹這いになり、膝立ちを経て立ち上がります。正しくは:24か月では、より高度な運動能力はありますが、この立ち上がり方はまだ難しいです。選びやすい理由:かなり運動能力が発達しているため、できると思われがちです。混同注意:活発な運動能力と、特定の高度な姿勢変換能力の混同。
- 4. 30か月(2歳半)になると、身体のコントロールはさらに向上しますが、図に示すような背臥位から手を使わず、バランス良く直接立ち上がる動作は、さらに成熟した筋力、バランス、協調性が必要です。この段階では、まだ手を使って立ち上がることが多いです。正しくは:30か月では、より洗練された運動が可能になりますが、この立ち上がり方は通常もう少し後です。選びやすい理由:幼児期の運動能力の急速な発達を考えると、この頃に習得すると考えやすいです。混同注意:多様な運動能力の獲得時期と、特定の高度な動作の習得時期の混同。
- 5. 正解。60か月(5歳)になると、身体のバランス感覚、筋力、協調性が十分に発達し、背臥位から手を使わずに直接、滑らかに立ち上がることができるようになります。この動作は、成熟した姿勢制御能力と体幹の安定性を示す指標の一つです。小児の運動発達において、この高度な立ち上がり方は概ね5歳頃に習得されるとされています。正しくは:正解です。5歳児は高度な運動能力とバランス感覚を備えています。選びやすい理由:他の選択肢と比べて最も遅い月齢なので、正解と推測しやすいかもしれません。混同注意:乳幼児期の運動発達の目安を理解していない場合、誤った選択をしてしまう可能性があります。
国試ポイント
小児の運動発達における里程標(マイルストーン)の理解が問われています。特に、単なる『立つ』行為だけでなく、その質(手を使うか否か、姿勢制御の程度)まで把握していることが重要です。
混同注意
各月齢での運動能力の発達段階を混同しやすいです。特に、歩行開始時期(約1歳)以降の、より洗練された動作の習得時期を正確に把握しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の画像を用いた他の運動発達マイルストーン(例:片足立ち、階段昇降、スキップなど)の習得月齢を問う問題が出題される可能性があります。
関連知識
乳幼児期における粗大運動発達の順序(寝返り→お座り→ハイハイ→つかまり立ち→伝い歩き→一人歩き→走る→跳ぶなど)と、各動作の平均的な獲得月齢。また、姿勢反射や平衡反応の発達も関連します。