痛みとして灼熱感を生じるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
視床痛は、視床の病変によって生じる中枢性疼痛であり、特徴的な症状として耐え難い灼熱感、激痛、あるいは不快な冷感を伴う異常感覚が出現します。これは神経障害性疼痛の一種で、感覚の伝達・処理に関わる視床の機能障害が原因です。
選択肢ごとの解説
- 1. レルミット徴候は、頸部を前屈した際に、背中から下肢にかけて電撃痛が走る感覚です。灼熱感とは異なります。正しくは:頸部前屈時に電撃痛が出現する徴候である。選びやすい理由:神経系の症状であり、痛みを伴うため、灼熱感を伴う神経痛と混同する可能性があります。混同注意:脊髄病変による神経痛全般、特に電撃痛と灼熱感のような異常感覚。
- 2. モーリーテストは、鎖骨上窩への圧迫によって腕や手に放散する痛みやしびれを誘発する検査で、胸郭出口症候群の診断に用いられます。灼熱感が直接の特徴ではありません。正しくは:胸郭出口症候群の診断に用いる検査であり、神経血管束の圧迫による局所圧痛や放散痛、しびれを誘発する。選びやすい理由:神経絞扼による症状を誘発する検査であるため、神経痛と関連付けて考えてしまう可能性があります。混同注意:神経圧迫による痛みやしびれの症状全般。
- 3. 緊張型頭痛は、頭部全体を締め付けられるような圧迫感や重苦しさが特徴であり、灼熱感とは異なる性質の痛みです。正しくは:頭部を締め付けられるような圧迫感や重苦しさを特徴とする頭痛である。選びやすい理由:一般的によくある頭痛であるため、様々な痛みの症状と結びつけて考えてしまう可能性があります。混同注意:片頭痛(拍動性)、群発頭痛(目の奥の激痛)など他の種類の頭痛の症状。
- 4. ティネル徴候は、損傷した末梢神経を叩打した際に、その神経の支配領域に放散するチクチクとしたしびれや電撃痛が生じる現象です。灼熱感とは異なります。正しくは:損傷した末梢神経を叩打した際に、その支配領域にチクチクとしたしびれや電撃痛が放散する徴候である。選びやすい理由:神経損傷や圧迫を示唆する徴候であり、神経系の異常感覚である灼熱感と関連付けて誤解する可能性があります。混同注意:レルミット徴候、ファレンテスト(手根管症候群の検査)など、他の神経系の検査や徴候。
- 5. 正解。視床痛は、脳卒中などによる視床の損傷後に起こる中枢性神経障害性疼痛の一つで、非常に強く、持続的な灼熱感、うずくような痛み、あるいは冷感を伴う痛みが特徴的です。
国試ポイント
神経系の症状や検査、疾患について、その特徴的な症状や所見を正確に理解しているかが問われています。特に、異常感覚の具体的な表現(灼熱感、電撃痛、締め付け感など)と、それらがどの疾患や徴候に結びつくかを区別する知識が重要です。中枢性疼痛の代表例である視床痛の症状を問う問題です。
混同注意
神経障害性疼痛全般。特に、電撃痛(レルミット徴候、ティネル徴候)と灼熱感(視床痛)を混同しやすい。末梢神経障害による灼熱感(例:複合性局所疼痛症候群、糖尿病性神経障害)も存在するため、中枢性の視床痛と区別して理解する必要がある。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、痛みの性質(電撃痛、灼熱感、圧迫感、拍動性など)とそれが特徴的に見られる疾患や徴候を結びつけられるかを確認する問題が出る可能性があります。また、中枢性疼痛と末梢性疼痛の鑑別、あるいは神経障害性疼痛の具体的な症状を問う問題も考えられます。
関連知識
中枢性疼痛: 脳や脊髄の病変によって生じる痛み。視床痛はその代表例。神経障害性疼痛: 神経系の損傷や機能不全によって生じる痛み。灼熱感、電撃痛、しびれなどが特徴。Lhermitte徴候: 多発性硬化症や頸髄症などで見られる。Morleyテスト: 胸郭出口症候群の診断。Tinel徴候: 末梢神経障害(例:手根管症候群、肘部管症候群)の診断。疼痛の分類: 侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛など。