二分脊椎で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
脊髄髄膜瘤では、Chiari Ⅱ型奇形を合併することが多く、これにより脳脊髄液の循環経路が閉塞しやすくなり、水頭症が高頻度で発生します。これは脊髄髄膜瘤の主要な合併症の一つとして知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. 髄膜瘤は脊髄神経の突出がなく、多くの場合、神経学的な欠損を伴わない良性の疾患です。神経障害を伴うのは、脊髄が突出している脊髄髄膜瘤の場合です。正しくは:髄膜瘤は一般的に神経障害を伴わない。神経障害を伴うのは脊髄髄膜瘤である。選びやすい理由:二分脊椎の一種であるため、何らかの障害があるのではないかと考えやすい。混同注意:脊髄髄膜瘤(myelomeningocele)と髄膜瘤(meningocele)を混同しやすい。髄膜瘤は嚢胞内に髄膜のみが含まれ、神経組織を含まないため、神経症状は通常伴いません。
- 2. 脊髄係留症候群の症状は、脊髄の成長に伴って生じる牽引ストレスが原因で、小児期から成人期にかけて徐々に発現することが多いです。必ずしも幼児期に好発するわけではなく、学童期や思春期、成人期に症状が顕在化することもあります。正しくは:脊髄係留症候群の症状は、小児期から成人期にかけて徐々に発現することが多い。選びやすい理由:先天性の疾患であるため、早い時期に症状が出ると思われがち。混同注意:他の先天性疾患の症状発現時期と混同しやすい。脊髄係留症候群は脊髄の牽引ストレスの蓄積により症状が出現するため、成長に伴って症状が顕著になる特徴があります。
- 3. 脊髄係留症候群は、脊髄の下端が正常より低い位置に固定されることにより、下肢や排泄機能に関連する神経(仙髄レベル以下)に影響が出ることがほとんどです。したがって、主な症状は下肢の運動・感覚障害や膀胱直腸障害であり、上肢の感覚異常は一般的ではありません。正しくは:脊髄係留症候群は、主に下肢の運動・感覚障害や膀胱直腸障害を伴う。選びやすい理由:脊髄の障害なので、感覚障害があることは正しいが、部位が特定されていないため、上肢という限定に気づきにくい。混同注意:上肢に症状が出やすい頚髄病変などと混同しやすい。脊髄係留症候群は、脊髄の下端の固定による下位脊髄神経の障害が主です。
- 4. 脊髄髄膜瘤では、Chiari Ⅱ型奇形(小脳扁桃や脳幹が脊髄腔に下垂する状態)の合併が非常に高頻度で認められます。これは脊髄髄膜瘤による髄液循環の異常と脳の形成異常に関連しています。そのため、「珍しい」という記述は誤りです。正しくは:脊髄髄膜瘤ではChiari Ⅱ型奇形を高頻度で合併する。選びやすい理由:特定の奇形が常に合併するわけではないため、稀だと考えてしまう可能性。混同注意:Chiari奇形が全ての二分脊椎に合併するわけではない点や、他の種類の奇形との合併頻度を混同しやすい。脊髄髄膜瘤ではChiari Ⅱ型奇形は高頻度合併症です。
- 5. 正解。脊髄髄膜瘤では、Chiari Ⅱ型奇形が合併することが多く、これが原因で脳脊髄液の流れが阻害され、水頭症を高頻度で合併します。約80%の症例で水頭症が認められるとされています。選びやすい理由:水頭症は重篤な合併症であり、その頻度について知識がないと判断に迷う可能性があるが、高頻度であるという事実が重要。混同注意:水頭症とChiari奇形の関連性を理解していないと判断が難しい。
国試ポイント
二分脊椎の各病型(髄膜瘤、脊髄髄膜瘤、脊髄係留症候群など)の臨床的特徴と主要な合併症に関する知識が問われています。特に、脊髄髄膜瘤におけるChiari奇形や水頭症の合併頻度は重要な論点です。
混同注意
髄膜瘤と脊髄髄膜瘤の違い、脊髄係留症候群の症状部位、Chiari奇形と水頭症の関連性。
次に同じ論点が出たら
今後、二分脊椎関連の問題が出た場合は、各病型ごとの詳細な症状、合併症の頻度、リハビリテーションにおける留意点などに着目して解答を検討する必要があります。特に、神経障害の有無やその部位、合併症の発生メカニズムが重要です。
関連知識
二分脊椎の分類と発生機序、各病型の病態生理、合併症(Chiari奇形、水頭症、排泄障害、下肢運動・感覚障害)、治療法(手術、リハビリテーション)。