排便中枢はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
排便は自律神経系によって制御される反射であり、その中枢は脊髄の仙髄部分、具体的には第2〜4仙髄に存在します。この仙髄の排便中枢からは、副交感神経である骨盤内臓神経が直腸や内肛門括約筋に投射し、直腸の収縮や内肛門括約筋の弛緩を促すことで排便が起こります。
選択肢ごとの解説
- 1. これは主に心臓や呼吸器の交感神経性支配に関与する領域であり、排便中枢ではありません。正しくは:排便中枢は仙髄にあります。選びやすい理由:脊髄のどこかに排便中枢があることは知識として知っているが、具体的な部位が曖昧な場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:他の自律神経中枢の部位と混同しやすいです(例:心臓、肺の支配)。
- 2. この領域も胸髄であり、排便の中枢とは関係が薄いです。主に体幹の筋支配や内臓の交感神経系に関わります。正しくは:排便中枢は仙髄にあります。選びやすい理由:選択肢に脊髄の様々な部位が提示されると、不確かな知識で適当な胸髄レベルを選んでしまうことがあります。混同注意:胃や腸の交感神経性支配と混同する可能性がありますが、排便の直接的な中枢ではありません。
- 3. このレベルも胸髄であり、排便中枢ではありません。主に下腹部臓器の交感神経性支配に関与します。正しくは:排便中枢は仙髄にあります。選びやすい理由:下部胸髄は下腹部臓器の支配と関連するため、排便との関連性を誤解して選択するかもしれません。混同注意:膀胱や直腸への交感神経性支配(下腹神経からの上行)と混同する可能性がありますが、排便反射の中枢は仙髄です。
- 4. この腰髄レベルは、主に下肢の運動・感覚支配や膀胱・直腸の交感神経(骨盤内臓神経ではない)に関与しますが、排便反射の中枢ではありません。正しくは:排便中枢は仙髄にあります。選びやすい理由:下肢に近い部位であるため、排泄機能と関連があるように感じて選択する可能性があります。混同注意:膀胱や直腸の交感神経支配(下腹神経)と混同したり、下肢の運動・感覚神経支配と混同したりする可能性があります。
- 5. 正解。排便反射の中枢は、第2〜4仙髄に位置しています。この部位からの副交感神経(骨盤内臓神経)が直腸と内肛門括約筋を支配し、排便を制御します。選びやすい理由:正しい知識があれば迷わず選べます。混同注意:他の自律神経中枢(例:排尿中枢)も仙髄にありますが、排便中枢としてこの範囲が正確です。
国試ポイント
この問題は、排便中枢の具体的な脊髄レベルを問うものであり、自律神経系の機能解剖学に関する基礎知識を評価しています。特に、仙髄が排便反射の重要な中枢であることを理解しているかが問われます。
混同注意
排尿中枢(仙髄S2-4)とほぼ同じ位置にあるため、排泄機能の中枢が仙髄であることは理解しやすいですが、どの神経が関与するか(骨盤内臓神経など)や、交感神経との役割の違い(排便の促進は副交感神経)まで混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後、この論点が出題される場合は、排便中枢と排尿中枢の類似点や相違点、あるいは排便反射に関わる具体的な神経(例:骨盤内臓神経、下腹神経、陰部神経)の役割、または排便障害の種類(上位運動ニューロン型、下位運動ニューロン型)と脊髄損傷レベルとの関連性などが問われる可能性があります。
関連知識
排便反射は、直腸壁の伸展によって誘発され、仙髄の排便中枢を介して、骨盤内臓神経からの副交感神経刺激により直腸の蠕動運動促進と内肛門括約筋の弛緩が起こります。同時に、大脳皮質からの随意的な抑制(外肛門括約筋の収縮)も関与し、便意を我慢できます。脳や脊髄の損傷により、排便反射が障害されると、便秘や便失禁が生じることがあります。