5歳の女児。左股関節痛を訴えている。エックス線写真(別冊No. 1)を別に示す。 疑うべき疾患はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Perthes病は、通常4歳から8歳の男児に好発する大腿骨頭の無菌性壊死であり、股関節痛や跛行、可動域制限を主訴とします。他の選択肢は、発症年齢や病態が本症例の状況と合致しないため、Perthes病が最も疑わしい疾患となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 大腿骨頭壊死症は成人や高齢者に多く、ステロイド使用やアルコール多飲との関連が強い疾患です。小児の股関節痛としては稀です。正しくは:この疾患は成人や高齢者に多い疾患であり、小児の股関節痛とは異なるため、適切ではありません。選びやすい理由:股関節痛を生じる疾患ではありますが、年齢層が異なります。混同注意:他の股関節疾患と混同する可能性がありますが、年齢や発症機序に大きな違いがあります。
- 2. 大腿骨頭すべり症は思春期の肥満男児に多く見られる疾患であり、本症例の年齢とは異なります。痛みが股関節だけでなく、膝に放散することもあります。正しくは:この疾患は思春期の肥満男児に多く、本症例の年齢層とは一致しません。選びやすい理由:成長期の疾患であるため、関連性を感じるかもしれませんが、発症年齢層が異なります。混同注意:ペルテス病と同じく成長期に発症する股関節疾患ですが、発症年齢や病態が異なります。
- 3. 単純性股関節炎は小児の股関節痛の最も一般的な原因の一つですが、通常は数日で自然治癒します。本症例は「最も疑わしい」疾患を問うているため、慢性的な経過を考慮すると可能性は低いです。正しくは:単純性股関節炎は急性の股関節痛を呈しますが、通常は短期間で軽快するため、最も疑わしい疾患としては適切ではありません。選びやすい理由:小児の股関節痛として頻度が高いため、選択肢として魅力的ですが、経過が異なります。混同注意:ペルテス病との鑑別が重要ですが、単純性股関節炎は通常、短期間で治癒する良性疾患です。
- 4. 発育性股関節形成不全は、股関節の形成異常を指し、乳幼児期に診断されることが多い疾患です。学童期に痛みを主訴として発症することは稀です。正しくは:発育性股関節形成不全は乳幼児期に診断されることが多く、学童期の股関節痛の最も疑わしい原因ではありません。選びやすい理由:股関節の疾患であるため、選択肢として考えられますが、発症時期が異なります。混同注意:股関節の構造的な問題に関連する疾患ですが、発症時期と症状の経過が本症例とは異なります。
- 5. 正解。Perthes病(ペルテス病)は、小児期に発症する大腿骨頭の特発性壊死であり、特に4~8歳の男児に多く見られます。股関節の痛みに加え、跛行や可動域制限を伴うことが特徴です。慢性的な経過をたどることもあり、本症例で最も疑われる疾患です。正しくは:Perthes病は小児の股関節痛で、特に4~8歳の男児に好発する大腿骨頭の虚血性壊死です。痛みに伴う跛行や可動域制限が見られ、本症例の状況と一致するため、最も疑わしい疾患と考えられます。選びやすい理由:他の股関節疾患も鑑別に上がりますが、年齢と症状の組み合わせから最も可能性が高いです。混同注意:単純性股関節炎や大腿骨頭すべり症と鑑別が必要ですが、年齢層と疾患の特性からペルテス病が最も適切です。
国試ポイント
小児の股関節痛を呈する疾患の鑑別が重要です。特に各疾患の好発年齢、性差、症状の特徴を理解しているかどうかが問われます。
混同注意
単純性股関節炎、大腿骨頭すべり症。これらも小児や成長期に発症する股関節疾患であり、鑑別が必要です。単純性股関節炎は一過性、大腿骨頭すべり症は思春期の肥満男児に多いという点で異なります。
次に同じ論点が出たら
この疾患を疑う場合、次のステップとしてX線検査やMRI検査を検討し、確定診断を行う必要があります。また、痛みの程度や生活への影響を評価し、適切なリハビリテーション計画を立案します。
関連知識
小児の股関節痛の鑑別診断には、問診(年齢、性別、発症様式、症状の経過)、理学所見(疼痛部位、可動域、歩行)、画像検査(X線、MRI)が重要となります。Perthes病の治療には安静、免荷、装具療法などがあります。