アレルギーの分類と組織傷害の機序との組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
I型アレルギーは、アレルゲンに特異的なIgE抗体が肥満細胞や好塩基球に結合し、再曝露時にアレルゲンと結合することでヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、即時的に様々な症状を引き起こす過敏反応です。このため、「I型アレルギー:即時型過敏症」の組み合わせは正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。I型アレルギーはIgE抗体が関与し、肥満細胞からの化学伝達物質放出によって数分から数十分以内に症状が現れる、いわゆる「即時型過敏反応」です。花粉症や気管支喘息などが典型例です。
- 2. II型アレルギーは細胞性免疫ではなく、細胞表面の抗原に対する抗体が関与し、補体やNK細胞などを介して細胞が破壊される「細胞傷害型」です。細胞性免疫が関与するのはIV型アレルギーです。正しくは:II型アレルギー:抗体依存性細胞傷害選びやすい理由:「免疫」という広いくくりで、誤って細胞性免疫と関連付けてしまう可能性があります。混同注意:IV型アレルギー(細胞性免疫)
- 3. 免疫複合体病はIII型アレルギーのメカニズムです。II型アレルギーは細胞表面抗原に対する抗体が直接的に作用します。正しくは:III型アレルギー:免疫複合体病選びやすい理由:アレルギーが免疫反応であるため、「免疫複合体」という言葉に引きつけられやすいですが、型が異なります。混同注意:III型アレルギー(免疫複合体病)
- 4. 抗体による機能亢進または機能低下はV型アレルギー(自己免疫疾患など)のメカニズムとして分類されることがあります。III型アレルギーは免疫複合体が組織に沈着し、炎症反応を引き起こす病態です。正しくは:V型アレルギー:抗体による機能亢進/低下選びやすい理由:抗体が登場することから、何らかのアレルギー反応と結びつけてしまいがちです。特に「亢進」という言葉がポジティブな印象を与え、アレルギーの負の側面と結びつきにくい点で混乱を招くかもしれません。混同注意:V型アレルギー
- 5. IV型アレルギーは細胞性免疫(T細胞など)が主に関与する「遅延型過敏反応」です。補体活性化による細胞破壊は主にII型アレルギーや一部のIII型アレルギーで見られます。正しくは:IV型アレルギー:T細胞を介した遅延型過敏反応選びやすい理由:「細胞破壊」という言葉がアレルギーによる組織損傷を連想させるため、安易に選んでしまいがちです。混同注意:II型アレルギー(補体活性化による細胞破壊)
国試ポイント
アレルギーの各分類(I型~IV型、V型)において、関与する免疫担当細胞や抗体、主な病態メカニズム、代表的な疾患の組み合わせを正確に理解しているかを問う問題です。特に、それぞれの型の特徴的な機序を混同しないことが重要です。
混同注意
アレルギーの各型において、関与する抗体(IgE, IgG, IgM)の種類、細胞(T細胞、B細胞、NK細胞、マクロファージ、好中球など)、および病態メカニズム(即時型、細胞傷害型、免疫複合体型、遅延型)がそれぞれ異なるため、これらを正確に区別できないと混乱しやすいです。特にII型とIII型、細胞性免疫と液性免疫の関与を混同しやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、各アレルギー型に特有の抗体や細胞、そして代表的な疾患名が正しく結びついているかを確認する必要があります。また、組織傷害の機序がより詳細に問われる可能性もあります。
関連知識
I型アレルギー:IgE抗体、肥満細胞、好塩基球、ヒスタミン、即時型、アナフィラキシー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹。II型アレルギー:IgG/IgM抗体、細胞表面抗原、補体、NK細胞、溶血性貧血、Goodpasture症候群。III型アレルギー:IgG/IgM抗体、可溶性抗原、免疫複合体、血管炎、血清病、全身性エリテマトーデス。IV型アレルギー:T細胞、マクロファージ、遅延型、接触皮膚炎、ツベルクリン反応、移植片拒絶反応。V型アレルギー:抗体による受容体刺激/阻害、バセドウ病、重症筋無力症。