食道で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
食道は気管の背側に位置し、気管が左右の主気管支に分岐する部位の後方で、特に左主気管支が食道を前方から圧迫するように走行するため、この部分が生理的狭窄部の一つとなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 成人における食道の平均的な長さは約25cmです。35cmは長すぎる記述です。正しくは:食道の長さはおよそ25cmです。選びやすい理由:漠然とした数字なので、正確な数値を知らないと判断に迷うかもしれません。長い臓器であるため、これくらいの長さがあってもおかしくないと感じる可能性もあります。混同注意:他の消化管の長さ(例:小腸の約6m、大腸の約1.5m)と混同する可能性があります。
- 2. 食道は、輪状軟骨の下端、第6頸椎の高さから咽頭に続いて始まります。甲状軟骨下縁は咽頭の一部である喉頭の高さを示します。正しくは:輪状軟骨の下端から始まります。選びやすい理由:甲状軟骨は首の重要なランドマークであり、その周辺に食道が位置するため、関連があるように感じやすいです。混同注意:咽頭と喉頭、食道の位置関係が不明確だと混同しやすいです。特に輪状軟骨と甲状軟骨の解剖学的知識が曖昧だと誤解を招きます。
- 3. 食道には、生理的な狭窄部位が通常3箇所あります(咽頭食道移行部、気管分岐部、横隔膜貫通部)。正しくは:生理的な狭窄部位が3箇所存在します。選びやすい理由:数字を一つ間違えるだけの問題なので、正確な知識がないと判断が難しいです。3か所という数字が頭に入っていても、4か所という選択肢を見ると不安になることがあります。混同注意:食道以外に狭窄部位を持つ臓器(例:尿管の生理的狭窄)の数と混同したり、単純に数字の記憶違いで誤答する可能性があります。
- 4. 正解。食道は胸腔内で気管の背側に位置し、気管分岐部(特に左主気管支が分岐する部位)の後ろを通るため、左主気管支によって軽く圧迫される生理的狭窄部の一つを形成します。
- 5. 食道の筋層は、上部1/3が横紋筋、中部1/3が横紋筋と平滑筋の混在、下部1/3が平滑筋からなります。下部60%が横紋筋というのは誤りです。正しくは:食道の上部1/3は横紋筋で構成されています。選びやすい理由:食道の筋層は横紋筋と平滑筋の両方からなるため、一部が横紋筋であることは正しいですが、その割合と部位が誤っています。初期嚥下に関わるため横紋筋の存在は知られていますが、その範囲が曖昧だと間違えやすいです。混同注意:胃などの他の消化管の筋層(平滑筋のみ)や、消化管外の骨格筋との混同。
国試ポイント
この問題は、食道の基本的な解剖学的特徴、特にその長さ、起始部、生理的狭窄部の数と位置、そして筋層の構成について問うものです。各選択肢で具体的な数値や解剖学的名称、比率が提示されており、正確な知識が求められます。特に生理的狭窄部の原因となる周囲臓器との位置関係を理解しているかが鍵となります。
混同注意
食道の生理的狭窄部の正確な数(3か所)とその原因(咽頭食道移行部、気管分岐部、横隔膜通過部)が混同されやすいです。また、食道の筋層の構成(上部1/3横紋筋、中部1/3混合、下部1/3平滑筋)も誤りやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、食道の生理的狭窄部の原因となる構造物(例:大動脈弓、横隔膜)や、狭窄部の具体的な解剖学的名称(例:気管分岐部狭窄)が問われる可能性があります。また、食道の神経支配(迷走神経など)や、食道静脈瘤が好発する部位(食道胃接合部)などの臨床的知識と結びつけて出題されることも考えられます。
関連知識
食道の機能(嚥下、食物の輸送)、食道静脈瘤や食道アカラシアなど食道疾患の病態生理、およびそれらが解剖学とどのように関連しているか。輪状軟骨、甲状軟骨、気管分岐部、横隔膜裂孔などの解剖学的ランドマークの正確な位置と関連する臓器。