細胞小器官について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ゴルジ装置の主な機能は、粗面小胞体で合成されたタンパク質や脂質の修飾、濃縮、選別、輸送であり、リボソームの形成には関与しません。リボソームは主に核小体で形成されます。
選択肢ごとの解説
- 1. ミトコンドリアは細胞内の他のDNAとは異なる独自の環状DNAを持っており、自己増殖能力や一部のタンパク質合成に関与しています。これは細胞内共生説の根拠の一つとされています。正しくは:ミトコンドリアはDNAを持つ。この記述は正しい。選びやすい理由:細胞の核にDNAがあることは周知だが、ミトコンドリアにも独自のDNAがあるという知識が曖昧だと誤りと思いやすい。混同注意:核DNAとの違いや、ミトコンドリアDNAが持つ遺伝情報の内容と混同する可能性。
- 2. リソソームは細胞内の不要物や異物、古くなった細胞小器官などを分解するための様々な加水分解酵素(酸性ヒドロラーゼ)を豊富に含んでいます。これにより細胞の消化・分解機能を担っています。正しくは:リソソームは加水分解酵素を持つ。この記述は正しい。選びやすい理由:酵素の種類を正確に覚えていない場合、他の酵素と混同することがある。混同注意:ペルオキシソームの酸化酵素や、他の細胞小器官が持つ酵素と混同する可能性。
- 3. 正解。リボソームの形成(生合成)は、主に核小体で行われます。ゴルジ装置の主な機能は、粗面小胞体で合成されたタンパク質や脂質の修飾、濃縮、選別、そして細胞外への分泌や細胞内での特定の部位への輸送を担うことです。リボソーム形成とは直接的な関係がありません。正しくは:ゴルジ装置は、粗面小胞体で作られたタンパク質や脂質を修飾・濃縮・選別し、適切な場所へ輸送する機能を担う。選びやすい理由:細胞小器官の機能が多岐にわたるため、ゴルジ装置の複雑な機能とリボソーム形成を誤って結びつけてしまうことがある。特に、ゴルジ装置がタンパク質の「加工」に関わるため、形成も行うと誤解しやすい。混同注意:粗面小胞体がリボソームを持つことや、核小体がリボソームを形成することと混同しやすい。
- 4. ペルオキシソームは、脂肪酸のβ酸化や過酸化水素の分解などを行う様々な酸化酵素(カタラーゼ、尿酸オキシダーゼなど)を豊富に含んでいます。これにより、細胞内で発生する有害な活性酸素種を無毒化する役割も果たします。正しくは:ペルオキシソームは酸化酵素を持つ。この記述は正しい。選びやすい理由:リソソームの加水分解酵素と混同しやすい。混同注意:リソソームの機能や酵素の種類と混同する可能性。
- 5. 粗面小胞体の表面にはリボソームが結合しており、このリボソームで、細胞膜タンパク質、分泌タンパク質、リソソーム酵素など、特定のタンパク質の合成(翻訳)が行われます。合成されたタンパク質は小胞体腔内に入り、その後ゴルジ装置へ輸送されます。正しくは:粗面小胞体ではタンパク質が合成される。この記述は正しい。選びやすい理由:タンパク質合成は細胞質のリボソームでも行われるため、粗面小胞体での合成が限定的であると誤解しやすい。混同注意:滑面小胞体の機能(脂質合成など)と混同したり、細胞質内の遊離リボソームでのタンパク質合成と混同したりする可能性。
国試ポイント
細胞小器官のそれぞれの機能と役割を正確に理解しているかを問う問題。特に混同しやすい類似機能や、特定の細胞小器官に特徴的な機能を狙って出題される傾向があります。
混同注意
各細胞小器官の機能(例:リソソームの分解とペルオキシソームの分解、粗面小胞体のタンパク質合成と滑面小胞体の脂質合成)や、リボソームの形成場所(核小体)とゴルジ装置の機能が混同されやすい。また、ミトコンドリアのDNAの存在も重要な知識。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、主要な細胞小器官(核、ミトコンドリア、リソソーム、ペルオキシソーム、ゴルジ装置、小胞体(粗面・滑面))それぞれの『主な機能』『特徴的な構造』『含まれる酵素や物質』を正確に把握しているかを確認すること。特に、『形成』『合成』『分解』『修飾』『輸送』といった動詞と細胞小器官の組み合わせに注意する。
関連知識
細胞内共生説、タンパク質の合成から分泌経路(小胞体→ゴルジ装置→分泌小胞)、核小体の機能、各種酵素の働きとその局在。