上腕骨顆上骨折で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
上腕骨顆上骨折は、骨折部が上腕動脈や正中神経などの重要な神経血管束に近接しているため、骨折による腫脹や転位によりこれらの構造が圧迫されやすく、フォルクマン拘縮に代表される前腕の循環不全や神経損傷を引き起こすリスクが高いです。特に早期診断と適切な処置が重要となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 上腕骨顆上骨折は、主に小児、特に5〜7歳頃に多く見られる骨折です。正しくは:小児期に頻発する。選びやすい理由:骨折全般が高齢者に多いという一般的な知識から、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:他の一般的な骨折(例:大腿骨頸部骨折、橈骨遠位端骨折など)の好発年齢と混同しやすいです。
- 2. 非転位型や軽度転位型では、保存療法(徒手整復とギプス固定)が第一選択とされます。開放骨折や神経血管損傷を伴う場合、徒手整復困難な場合、不安定性が高い場合などに手術が検討されます。正しくは:非転位型や軽度転位型では、保存療法が第一選択とされる。選びやすい理由:重篤な合併症のリスクがあるため、手術が必要と誤解しがちです。混同注意:他の複雑な骨折や、不安定性の高い骨折の治療方針と混同しやすいです。
- 3. 上腕骨顆上骨折後の合併症として多いのは、内反肘(キュービタス・バルガス)です。これは骨折部の過剰な内側転位や回旋転位、または成長障害によって生じます。正しくは:内反肘を生じることが多い。選びやすい理由:肘関節の変形に関する知識はあるものの、内反と外反の区別が曖昧だと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:外反肘と内反肘の区別、特に上腕骨顆上骨折で内反肘が生じやすいという事実と混同しやすいです。
- 4. 正解。上腕骨顆上骨折は、骨折部が上腕動脈や正中神経、橈骨神経、尺骨神経などの重要な神経血管構造の近くに位置するため、特に腫脹や転位が強い場合にこれらの構造を圧迫し、フォルクマン拘縮(阻血性拘縮)などの前腕の循環不全や神経麻痺を生じやすいです。選びやすい理由:これは最も重要な合併症の一つであり、選択肢の中で最も正確な記述です。
- 5. 上腕骨顆上骨折の多くは、肘関節が伸展位で転倒し、手をついた際に発生します(伸展型)。まれに、肘屈曲位での直達外力によって発生することもありますが、伸展型が圧倒的に多いです。正しくは:肘関節伸展位での受傷が多い。選びやすい理由:転倒時に肘を強く曲げてしまうイメージから、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:他の肘関節周囲骨折の受傷機転と混同しやすいです。
国試ポイント
上腕骨顆上骨折の好発年齢、主な受傷機転、治療原則、そして最も重要な合併症である神経血管損傷(特にフォルクマン拘縮)について問われることが頻繁です。特に合併症に関する理解が重要視されます。
混同注意
他の小児骨折(例:橈骨頭脱臼、上腕骨外顆骨折など)の治療や合併症、また内反肘と外反肘の区別。
次に同じ論点が出たら
今後上腕骨顆上骨折に関する問題が出題された場合、特にその合併症(神経血管損傷、内反肘、フォルクマン拘縮)に関する知識が問われる可能性が高いです。また、保存療法と手術療法の適応についても確認が必要です。
関連知識
フォルクマン拘縮の病態生理、小児の骨の特徴、肘関節の解剖学(特に神経・血管の走行)。