特発性大腿骨頭壊死症について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
特発性大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭への血流障害により骨組織が壊死する疾患であり、その発生にはステロイド薬の長期使用やアルコール多飲が主要な危険因子として知られています。ステロイド薬は脂質代謝異常や血管内凝固亢進を引き起こし、骨頭内の微小循環障害を誘発することで壊死に繋がると考えられています。
選択肢ごとの解説
- 1. 特発性大腿骨頭壊死症は、主に成人(30〜50歳代)に多く見られる疾患であり、小児期に多く見られるのはペルテス病(大腿骨頭壊死症の一種だが小児に特有)である。正しくは:特発性大腿骨頭壊死症は、主に成人期に多く見られる疾患である。選びやすい理由:「大腿骨頭壊死症」という疾患名から、小児のペルテス病を連想しやすいため。混同注意:ペルテス病(大腿骨頭壊死症の一種だが小児に発症)。
- 2. 特発性大腿骨頭壊死症では、病期が進行し骨頭の圧潰が生じると、多くの場合、人工股関節置換術などの手術的治療が必要となる。保存的治療は初期や症状が軽度の場合に限られる。正しくは:病期が進行すると手術的治療が必要となるケースが多い。選びやすい理由:多くの疾患で保存的治療が優先されるため、この疾患でもそうであると誤解しやすい。混同注意:初期の変形性股関節症など、保存的治療が主体となる他の股関節疾患。
- 3. 特発性大腿骨頭壊死症は、約60〜80%で両側性に発生するとされており、片側性よりも両側性の病変が比較的多いことが特徴である。正しくは:通常、両側の股関節に発生することが多く、片側性の病変も存在する。選びやすい理由:一般的な外傷や疾患は片側に発生することが多いため、この疾患も片側性だと誤解しやすい。混同注意:外傷性の大腿骨頭壊死(片側性がほとんど)。
- 4. 正解。ステロイド薬の長期使用は、特発性大腿骨頭壊死症の最も重要な危険因子の一つであり、高用量のステロイド薬を長期にわたって使用している患者に多く発症することが知られている。選びやすい理由:正しい記述であるため、選択することに迷いはない。混同注意:特になし。明確な危険因子である。
- 5. 特発性大腿骨頭壊死症では、骨頭の壊死とそれに続く圧潰が生じるため、初期から荷重時の疼痛に加え、股関節の可動域制限(特に内旋制限)が認められることが多い。屈曲・伸展以外の可動域も保たれることは稀である。正しくは:股関節の可動域は、初期から内外旋を中心に制限されることが多い。選びやすい理由:初期には症状が軽い場合があるため、可動域が比較的保たれると誤解しやすい。混同注意:初期の股関節疾患における軽度の可動域制限。
国試ポイント
特発性大腿骨頭壊死症の疫学、危険因子(ステロイド、アルコール)、病態、症状、および治療方針を理解する。
混同注意
大腿骨頭すべり症(小児・思春期)、ペルテス病(小児・特発性大腿骨頭壊死に似るが小児に限定)、変形性股関節症(二次性が多い)。
次に同じ論点が出たら
特発性大腿骨頭壊死症の問題が出た場合、まず危険因子(ステロイド、アルコール)と、成人に好発する両側性の壊死性疾患であることを確認する。
関連知識
大腿骨頭壊死症はステロイド性、アルコール性、特発性に分類されるが、特発性はその原因が特定できないものを指し、ステロイドやアルコールが関与するものが大部分を占める。ステロイド性骨壊死は関節外科領域の重要疾患である。