質問紙法はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
BDI-Ⅱは、患者自身が設問に回答を記入する自己評価式の質問紙法です。一方、BPRS、HAM-D、HDS-R、PANSSはいずれも、評価者が患者を観察したり、面接を行ったりして評価する他者評価(評価者評価)尺度です。問題文は『質問紙法(自己記入式)』を求めているため、BDI-Ⅱが正答となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。BDI-Ⅱ(Beck Depression Inventory-Ⅱ)は、うつ病の重症度を評価するために患者自身が記入する自己評価式の質問紙法です。精神科領域の質問紙法の代表例として頻繁に用いられます。
- 2. BPRS(Brief Psychiatric Rating Scale)は、統合失調症などの精神症状を評価するための『観察・面接評価尺度』です。評価者が患者を観察し、面接を通じて情報を得て記入します。正しくは:BPRSは評価者による観察・面接評価尺度である。選びやすい理由:精神科領域の評価尺度であるため、質問紙法と誤解しやすいかもしれません。混同注意:患者自己記入式の質問紙法と、医療従事者による観察・面接評価尺度を混同しやすいです。
- 3. HAM-D(Hamilton Rating Scale for Depression、日本語名ではHRS-Dと表記されることもあります)は、うつ病の重症度を評価するための『評価者面接尺度』です。医師や専門の評価者が患者に面接し、評価項目に沿って点数をつけます。正しくは:HAM-D〈HRS-D〉は評価者面接尺度である。選びやすい理由:これも精神科領域の主要な評価尺度であるため、形式を混同しやすいです。混同注意:BDI-Ⅱ(患者自己記入)とHAM-D(評価者面接)は同じうつ病の重症度を評価する尺度ですが、実施形式が異なります。
- 4. HDS-R(長谷川式簡易知能評価スケール改訂版)は、認知症のスクリーニング検査として広く用いられる『評価者面接式』の検査です。評価者が質問を投げかけ、患者の回答を基に評価を行います。正しくは:HDS-Rは評価者面接式の検査である。選びやすい理由:認知機能検査として一般的であり、問題形式を知らないと質問紙法と誤解する可能性があります。混同注意:MMSE(Mini-Mental State Examination)と同様に評価者面接式の認知機能検査です。自己記入式ではありません。
- 5. PANSS(Positive and Negative Syndrome Scale)は、統合失調症の陽性症状、陰性症状、一般精神病理を評価するための『評価者面接尺度』です。専門家が患者との面接や観察を通じて評価します。正しくは:PANSSは評価者面接尺度である。選びやすい理由:精神科領域で非常に有名な尺度であり、その形式を知らないと間違えやすいです。混同注意:BPRSと同様に、統合失調症の症状を評価する尺度ですが、いずれも評価者面接形式です。
国試ポイント
精神科領域で用いられる各種評価尺度の名称とその評価形式(自己記入式質問紙法、評価者面接尺度、観察評価尺度など)を正確に理解しているかが問われています。特に、似たような目的で使用される尺度でも評価形式が異なるもの(例:BDI-ⅡとHAM-D)は混同しやすいため注意が必要です。
混同注意
BDI-Ⅱ(自己記入式)とHAM-D(評価者面接式)は、どちらもうつ病の評価尺度ですが形式が異なります。また、BPRSとPANSSは統合失調症の評価尺度ですが、これらも評価者面接式です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、選択肢に挙げられた評価尺度の目的(例:うつ、不安、認知機能、精神病理など)と、評価形式(自己記入式か、他者評価式か、面接式か、観察式か)の二点を正確に判別できるかを確認します。特に、同じ疾患の評価に用いられるが形式が異なる尺度のペアに注意が必要です。
関連知識
精神科の評価尺度には、患者自身が記入する質問紙法(例:BDI-Ⅱ、SDS、STAIなど)と、医療従事者が患者を評価する面接・観察評価尺度(例:HAM-D、HAM-A、HDS-R、MMSE、BPRS、PANSSなど)があります。それぞれの尺度の目的、評価項目、および実施形式を理解しておくことが重要です。