筋紡錘の求心性線維はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
筋紡錘は、筋肉の長さを感知する感覚受容器です。ここから中枢神経系へ情報を伝える求心性線維には、主にⅠa線維とⅡ線維があります。Ⅰa線維は筋の長さの変化速度(動的応答)を主に感知し、Ⅱ線維は筋の長さそのもの(静的応答)を感知します。これらは伸張反射などの姿勢制御に重要な役割を果たします。一方、Ⅰb線維はゴルジ腱器官から筋の張力に関する情報を伝え、Ⅲ線維とⅣ線維は痛覚や温度覚などを伝える自由神経終末の線維です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Ⅰa線維は、筋紡錘の核袋線維と核鎖線維の両方から、筋の伸張刺激による情報を伝達します。特に、筋の長さの変化速度(動的応答)に敏感で、伸張反射(単シナプス反射)において重要な役割を担います。
- 2. Ⅰb線維は、ゴルジ腱器官からの求心性線維であり、筋の張力に関する情報を中枢神経系に伝達します。筋紡錘からの求心性線維ではありません。正しくは:Ⅰb線維はゴルジ腱器官の求心性線維であり、筋の張力情報を伝達します。選びやすい理由:Ⅰa線維と表記が類似しているため、筋感覚受容器の一部として誤って選んでしまう可能性があります。筋紡錘とゴルジ腱器官の線維を混同しやすいです。混同注意:筋紡錘求心性線維(Ⅰa, Ⅱ)とゴルジ腱器官求心性線維(Ⅰb)
- 3. 正解。Ⅱ線維は、主に筋紡錘の核鎖線維から、筋の伸張刺激による情報を伝達します。特に、筋の長さそのもの(静的応答)に敏感で、姿勢保持などに関与します。
- 4. Ⅲ線維(Aδ線維)は、皮膚や筋の自由神経終末から、痛覚や温度覚(冷覚)、粗大触覚などの情報を伝達する求心性線維であり、筋紡錘からの情報とは直接関係ありません。正しくは:Ⅲ線維は主に痛覚や温度覚などを伝える線維です。選びやすい理由:神経線維の分類の一つであるため、筋感覚と関連付けて考えてしまう可能性があります。感覚線維という点は共通していますが、受容器が異なります。混同注意:筋紡錘求心性線維(Ⅰa, Ⅱ)と自由神経終末求心性線維(Ⅲ, Ⅳ)
- 5. Ⅳ線維(C線維)は、皮膚や筋の自由神経終末から、鈍い痛覚、温度覚(温覚)、かゆみなどの情報を伝達する求心性線維であり、筋紡錘からの情報とは直接関係ありません。正しくは:Ⅳ線維は主に鈍い痛覚や温度覚などを伝える線維です。選びやすい理由:Ⅲ線維と同様に、神経線維の分類の一つであるため、関連付けて考えてしまう可能性があります。感覚線維という点は共通していますが、受容器が異なります。混同注意:筋紡錘求心性線維(Ⅰa, Ⅱ)と自由神経終末求心性線維(Ⅲ, Ⅳ)
国試ポイント
筋紡錘やゴルジ腱器官などの主要な固有受容器と、それに結合する求心性神経線維の種類(Ⅰa, Ⅰb, Ⅱなど)を正確に区別できるか。それぞれの線維が伝達する情報(筋の長さの変化速度、長さそのもの、張力、痛覚など)とその主要な受容器を理解しているか、基本的な神経生理学の知識が問われています。
混同注意
筋紡錘の求心性線維(Ⅰa, Ⅱ)とゴルジ腱器官の求心性線維(Ⅰb)は、同じ筋感覚受容器の線維として混同されやすいです。また、筋感覚を伝える線維(Ⅰa, Ⅰb, Ⅱ)と、痛覚や温度覚などを伝える自由神経終末の線維(Ⅲ, Ⅳ)も区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
次に類題が出題された場合は、筋紡錘、ゴルジ腱器官、皮膚の触覚・痛覚受容器のそれぞれに結合する求心性線維の種類と、それらが伝える情報の具体的な内容(筋の長さの変化速度、長さそのもの、張力、痛覚、温度覚など)を正確に区別できるかが問われるでしょう。さらに、運動線維であるα線維とγ線維の役割についても確認しておきましょう。
関連知識
神経線維の分類と受容器の関係: 1. Ⅰa線維: 筋紡錘(筋の長さと変化速度) 2. Ⅰb線維: ゴルジ腱器官(筋の張力) 3. Ⅱ線維: 筋紡錘(筋の長さ)、皮膚の触圧覚受容器 4. Ⅲ線維(Aδ線維): 自由神経終末(痛覚、冷覚、粗大触覚) 5. Ⅳ線維(C線維): 自由神経終末(鈍い痛覚、温覚、かゆみ) また、運動線維として、α線維(錘外筋を支配)とγ線維(錘内筋を支配)も重要です。