体温で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
体内で発生した熱は、様々な経路で体外へ放散されます。呼吸による熱放散(不感蒸泄の一部)は、温かい呼気を吐き出すことや、呼気中の水蒸気が蒸発する際の気化熱として重要な役割を果たします。特に寒い環境下ではこの熱放散が顕著になります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。呼気には水蒸気が含まれており、この水蒸気が蒸発する際に気化熱として熱が放散されます。また、呼気の温度自体も体温に近いことから、温かい空気を吐き出すことでも熱が失われます。これは体温調節機構の一つです。
- 2. 熱産生の主要な臓器は肝臓と骨格筋です。安静時の熱産生では肝臓が最も大きな割合を占め、次いで骨格筋、脳、心臓などが続きます。心臓の熱産生は肝臓や骨格筋ほど大きくありません。正しくは:熱産生の主要な臓器は肝臓と骨格筋です。安静時には肝臓が最も多くの熱を産生します。選びやすい理由:心臓は常に活動しているため、熱産生が多いと考えやすいですが、その量は肝臓や活動中の骨格筋には及びません。混同注意:安静時の臓器別熱産生割合と、活動時(運動時など)の熱産生割合。運動時は骨格筋の熱産生が著しく増加します。
- 3. 激しい運動時には筋肉活動により大量の熱が産生され、直腸温(深部体温)は一時的に40℃を超えることがあります。これは生理的な範囲内での体温上昇であり、運動性高体温と呼ばれます。例えばマラソン選手などでは40-41℃に達することもあります。正しくは:激しい運動をすると、直腸温は一時的に40℃を超えることがあります。選びやすい理由:一般的に40℃は危険な体温と認識されているため、生理的な範囲で超えることはないと考えやすいです。混同注意:病的な発熱による高体温と、運動による生理的な高体温。
- 4. 体温の変化を検出する温覚・冷覚受容器は皮膚だけでなく、視床下部、脳幹、脊髄、そして内臓(腹腔内を含む)にも広く分布しています。これにより、深部体温の変化も感知し、体温調節機構が働きます。正しくは:腹腔内にも体温の変化を検出する受容器が存在します。選びやすい理由:体温調節の中心が視床下部であるため、末梢(特に内臓)には受容器がないと誤解しやすいかもしれません。混同注意:皮膚温受容器と深部体温受容器の分布。
- 5. 体温が1℃上昇すると、基礎代謝は約10〜13%(一般的には約13%)増加すると言われています。これはファン・ト・ホッフの法則に基づく化学反応速度の上昇と関連しています。正しくは:体温が1℃上昇すると、基礎代謝は約13%増加します。選びやすい理由:数字が似ているため混同しやすいですが、増加率は10%以上と比較的大きいです。混同注意:体温と基礎代謝の増加率。非常に似たパーセンテージが選択肢にあるため、記憶の曖昧さから間違いやすいです。
国試ポイント
体温調節メカニズムと体温に関する生理学的な知識が問われています。特に、熱産生臓器、熱放散経路、深部体温の生理的変動範囲、および基礎代謝との関係について正確な理解が求められます。
混同注意
体温調節における各臓器の役割、熱産生の割合、熱放散の経路(蒸発、伝導、対流、放射)、基礎代謝と体温上昇の関係性など、多くの数値や生理現象が混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、熱放散経路の各割合(放射、蒸発、伝導、対流)、安静時と運動時の熱産生源の変化、発熱メカニズム(プロスタグランジンE2)、低体温症と高体温症の生理学的変化についても確認すると良いでしょう。
関連知識
体温調節中枢(視床下部)、熱産生(震え、非震え産熱)、熱放散(皮膚血流、発汗、呼吸、排泄)、深部体温(直腸温、鼓膜温など)、表面体温。基礎代謝、特定動的作用(食事誘発性熱産生)。