腱をたたいて骨格筋を急速に伸ばすと起こる筋単収縮に関与するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
腱を叩くことで筋肉が急激に引き伸ばされると、その筋肉の中にある筋紡錘が興奮します。この興奮は求心性神経線維を介して脊髄に伝えられ、脊髄前角細胞にある運動ニューロンを直接興奮させ、その筋肉を収縮させます。これが伸張反射(腱反射)のメカニズムであり、筋単収縮を引き起こす主要な受容器は筋紡錘です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。筋紡錘は筋肉の長さの変化(伸張)とその変化の速度を感知する感覚受容器であり、伸張反射の求心路の起点となります。腱を叩くと筋肉が急激に伸張され、筋紡錘が興奮し、反射的に筋収縮が引き起こされます。
- 2. パチーニ小体は振動や圧覚(特に深部の圧)を感知する受容器であり、腱反射における筋収縮の直接的な誘発には関与しません。正しくは:腱反射において筋単収縮に関与するのは筋紡錘です。選びやすい理由:様々な感覚受容器の一つであるため、知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:他の機械受容器(マイスナー小体、ルフィニ終末など)や、腱紡錘(ゴルジ腱器官)と混同しやすいです。ゴルジ腱器官は筋の張力を感知し、抑制性の反射に関与します。
- 3. ルフィニ終末は皮膚の伸張や持続的な圧覚、関節の位置覚などを感知する受容器であり、腱反射における筋単収縮の直接的な誘発には関与しません。正しくは:腱反射において筋単収縮に関与するのは筋紡錘です。選びやすい理由:深部感覚に関わる受容器の一つですが、腱反射のメインの受容器ではありません。混同注意:他の機械受容器(マイスナー小体、パチーニ小体など)と混同しやすいです。
- 4. 自由神経終末は主に痛み(侵害受容)や温度覚などを感知する受容器であり、腱反射における筋単収縮の誘発には直接関与しません。正しくは:腱反射において筋単収縮に関与するのは筋紡錘です。選びやすい理由:最も基本的な神経終末の一つであるため、反射全般に関わると誤解する可能性があります。混同注意:感覚受容器の種類や、特定の反射における役割と混同しやすいです。
- 5. マイスナー小体は軽触覚や振動覚(特に低周波)を感知する受容器であり、皮膚の表層に多く分布します。腱反射における筋単収縮の直接的な誘発には関与しません。正しくは:腱反射において筋単収縮に関与するのは筋紡錘です。選びやすい理由:皮膚感覚に関わる代表的な受容器であるため、選択肢として目につくかもしれません。混同注意:他の機械受容器(パチーニ小体、ルフィニ終末など)と混同しやすいです。
国試ポイント
伸張反射(腱反射)のメカニズムと、それに主要な役割を果たす感覚受容器(筋紡錘)について問われています。反射の求心路・遠心路、および関与する神経線維の種類(Ia線維など)も合わせて理解しておく必要があります。また、他の感覚受容器がどのような刺激を感知するのか、その機能も問われやすいポイントです。
混同注意
筋紡錘とゴルジ腱器官(腱紡錘)の機能は混同しやすいです。筋紡錘は筋の伸張を感知し、筋収縮を促す(興奮性)のに対し、ゴルジ腱器官は筋の張力を感知し、筋収縮を抑制する(抑制性)作用があります。また、様々な皮膚感覚や深部感覚に関わる機械受容器(パチーニ小体、マイスナー小体、ルフィニ終末など)の役割も整理しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、伸張反射の反射弓を構成する各要素(求心路・中枢・遠心路)や、関与する神経線維の種類(例:Ia線維)、またはゴルジ腱器官の働き(自己抑制反射)について問われる可能性があります。また、病的反射(バビンスキー反射など)や、他の種類の反射(屈曲反射、交差性伸展反射など)と比較してその特徴を理解しているかが問われることも考えられます。
関連知識
伸張反射(腱反射)のメカニズム、反射弓の構成要素(受容器、求心路、中枢、遠心路、効果器)、単シナプス反射と多シナプス反射の違い、筋紡錘の構造と機能(錘内筋、ガンマ運動ニューロン)、ゴルジ腱器官の構造と機能、Ia線維とIb線維の役割。