ホルモンの産生で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
バソプレシンは、視床下部の特定の神経核(室傍核、視索上核)で産生されるペプチドホルモンです。その後、軸索輸送により下垂体後葉に運ばれて貯蔵され、必要に応じて血中に分泌されます。この問題では「産生」に焦点を当てているため、視床下部が正しい産生部位となります。
選択肢ごとの解説
- 1. エリスロポエチンは主に腎臓の線維芽細胞様間質細胞で産生されます。骨髄はエリスロポエチンの刺激を受けて赤血球を産生する場所です。正しくは:エリスロポエチンは腎臓で産生されます。選びやすい理由:エリスロポエチンが赤血球産生に関わるため、血球を作る骨髄と関連付けて正しいと感じるかもしれません。混同注意:エリスロポエチンの作用部位(骨髄)と産生部位(腎臓)が混同しやすいです。
- 2. グルカゴンは膵臓のランゲルハンス島A細胞(α細胞)で産生・分泌されます。B細胞(β細胞)はインスリンを産生します。正しくは:グルカゴンは膵臓のランゲルハンス島A細胞で産生されます。選びやすい理由:グルカゴンが膵臓のランゲルハンス島で産生されることは正しいですが、細胞の種類がB細胞とされているため誤りです。混同注意:ランゲルハンス島の細胞の種類(A細胞とB細胞)とその産生ホルモン(グルカゴンとインスリン)が混同しやすいです。
- 3. ソマトスタチンは、主に視床下部、膵臓のランゲルハンス島D細胞、消化管などで産生されます。黄体はプロゲステロンなどを産生する内分泌器官です。正しくは:ソマトスタチンは視床下部や膵臓のランゲルハンス島D細胞で産生されます。選びやすい理由:ソマトスタチンも黄体も内分泌に関わるため、関連があるように感じるかもしれませんが、産生部位は異なります。混同注意:ホルモン名の類似性や、複数の部位で産生されるホルモンの記憶が曖昧な場合に混同することがあります。
- 4. トリヨードサイロニン(T3)は甲状腺ホルモンの一つで、主に甲状腺で産生されます。上皮小体(副甲状腺)はパラトルモンを産生します。正しくは:トリヨードサイロニンは甲状腺で産生されます。選びやすい理由:甲状腺と上皮小体(副甲状腺)は解剖学的に近接しており、ホルモン産生臓器であるため、混同しやすいです。混同注意:甲状腺と副甲状腺のそれぞれが産生するホルモン(甲状腺ホルモン、パラトルモン)が混同しやすいです。
- 5. 正解。バソプレシン(抗利尿ホルモン)は、視床下部の神経細胞(室傍核および視索上核)で合成され、下垂体後葉に運ばれて貯蔵・分泌されます。したがって、合成部位は視床下部です。正しくは:記述の通り正しい。選びやすい理由:下垂体後葉から分泌されるため、下垂体が産生部位と誤解されることもありますが、合成は視床下部で行われます。混同注意:バソプレシンの合成部位(視床下部)と分泌・貯蔵部位(下垂体後葉)が混同しやすいです。
国試ポイント
ホルモンの産生部位と分泌部位、および関連する器官や細胞の種類を正確に覚えているかが問われています。特に、合成と分泌が異なる場所で行われるホルモンや、類似した名称の器官が産生するホルモンは注意が必要です。
混同注意
多くのホルモンにおいて、その合成部位と作用部位、あるいは貯蔵・分泌部位が異なる場合があります。特に、視床下部-下垂体系ホルモンや、近接する臓器(甲状腺と副甲状腺、膵臓のランゲルハンス島A/B細胞)が産生するホルモンは混同しやすいため、詳細な知識が求められます。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、ホルモンの「産生部位」「分泌部位」「作用部位」の区別、および特定の細胞種(例:ランゲルハンス島A/B細胞)まで正確に覚えているかを判断基準とします。
関連知識
各ホルモンの化学構造(ステロイド、ペプチドなど)、標的器官、主な作用、調節機構についても理解しておくことが重要です。特に、フィードバック機構に関わるホルモン産生部位の連鎖的な理解は必須です。