味覚を支配する脳神経はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では2・3のいずれも正解とされています。 味覚情報は主に顔面神経(第VII脳神経)が舌前2/3、舌咽神経(第IX脳神経)が舌後1/3、迷走神経(第X脳神経)が喉頭蓋部からそれぞれ伝えられます。本問の選択肢の中では、舌咽神経と迷走神経が味覚を支配する脳神経に該当します。三叉神経、副神経、舌下神経は味覚には関与しません。
選択肢ごとの解説
- 1. 三叉神経は顔面の感覚(触覚、痛覚、温度覚)と咀嚼筋の運動を支配しますが、味覚の伝導には直接関与しません。正しくは:三叉神経は顔面の一般感覚と咀嚼筋の運動に関与します。選びやすい理由:顔面の知覚に関わるため、味覚のような特殊感覚も担当すると誤解されることがあります。混同注意:顔面神経の一般体性求心性線維(耳介後部の皮膚感覚)や、舌の一般感覚を司る舌神経(三叉神経の枝)と混同されやすいです。
- 2. 正解。舌咽神経(第IX脳神経)は舌の後方1/3の味覚を支配しています。この他に、咽頭の感覚、唾液腺(耳下腺)の分泌、茎突咽頭筋の運動も担当します。選びやすい理由:舌の感覚を担当する神経であるため、味覚に関わることは理解しやすいでしょう。
- 3. 正解。迷走神経(第X脳神経)は、喉頭蓋周辺の味蕾からの味覚情報(特に苦味)を伝導します。広範な内臓機能を調節する他、咽頭・喉頭の運動と感覚にも関与します。選びやすい理由:迷走神経は内臓機能との関連が強いため、味覚との直接的な関連を見落としがちですが、喉頭蓋部の味覚を司ります。
- 4. 副神経(第XI脳神経)は、胸鎖乳突筋と僧帽筋の運動を支配する純粋な運動神経であり、味覚の伝導には全く関与しません。正しくは:副神経は頚部の運動(胸鎖乳突筋、僧帽筋)に関与します。選びやすい理由:脳神経の一つであるため、他の感覚機能と混同される可能性があります。混同注意:舌咽神経や迷走神経といった他の咽頭・喉頭関連の脳神経と混同されやすいです。
- 5. 舌下神経(第XII脳神経)は、舌の動きを司る舌筋群(内舌筋、外舌筋)を支配する純粋な運動神経であり、味覚の伝導には関与しません。正しくは:舌下神経は舌の運動に関与します。選びやすい理由:舌に分布する神経であるため、味覚も担当すると誤解されやすいですが、舌の運動のみです。混同注意:舌の感覚(舌神経、舌咽神経)や味覚(顔面神経、舌咽神経、迷走神経)を司る他の神経と混同されやすいです。
国試ポイント
脳神経の機能は多岐にわたりますが、特に感覚(一般感覚、特殊感覚)、運動、自律神経機能のいずれを支配しているかを正確に理解しているかが問われます。味覚を支配する脳神経は複数あり、それぞれ担当する部位が異なる点が重要です。
混同注意
舌の一般感覚(三叉神経の舌神経枝)と味覚(顔面神経、舌咽神経、迷走神経)を混同しやすい。また、舌の運動(舌下神経)と舌の感覚・味覚を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、他の特殊感覚(嗅覚、視覚、聴覚、平衡覚)や、舌の一般感覚、舌の運動を支配する脳神経についても知識が問われる可能性があります。また、味覚の伝導路の詳細(一次ニューロンから皮質までの経路や関連する脳部位)も確認すべき点です。
関連知識
味覚を伝える主要な脳神経は、顔面神経(舌前2/3)、舌咽神経(舌後1/3)、迷走神経(喉頭蓋部)の3つ。顔面神経は鼓索神経を介して味覚を伝える。味覚の伝導路は、これらの脳神経から孤束核に入り、その後視床を経て大脳皮質の味覚野(島皮質、弁蓋部)へと至る。