糖尿病性神経障害に特徴的な所見はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
糖尿病性神経障害の最も一般的な病型である遠位性対称性多発神経障害では、末梢神経の障害により、下肢の末端部(特に足先)から感覚障害が始まり、進行とともにあたかも靴下を履いたかのような範囲に感覚異常が広がることが特徴です。これは「靴下型感覚障害」と呼ばれ、しびれ、痛み、感覚鈍麻などが主な症状となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 糖尿病性神経障害は通常、慢性的に徐々に進行する病態であり、急激な発症は一般的ではありません。正しくは:症状が慢性的に徐々に進行すること選びやすい理由:一部の神経疾患や、糖尿病性神経障害のまれな急性型もあるため、急激な発症という言葉に引きつけられるかもしれません。混同注意:ギラン・バレー症候群などの急性炎症性脱髄性多発神経炎。
- 2. 糖尿病性神経障害では、自律神経機能が低下することが一般的で、過反射ではなく、機能不全(例:起立性低血圧、胃不全麻痺、排尿障害など)が見られます。自律神経過反射は脊髄損傷の合併症として知られています。正しくは:自律神経機能の低下選びやすい理由:糖尿病性神経障害に自律神経障害が含まれるため、関連があると感じるかもしれませんが、その性質が異なります。混同注意:脊髄損傷患者に見られる自律神経過反射。
- 3. 糖尿病性神経障害では、末梢神経の障害により、特にアキレス腱反射などの深部腱反射が低下または消失することが一般的です。亢進は中枢神経系の障害を示唆することが多いです。正しくは:深部腱反射の低下または消失選びやすい理由:反射に関する異常という点で関連性があるように見えるかもしれません。混同注意:脊髄小脳変性症や脳血管障害などの中枢神経疾患による深部腱反射亢進。
- 4. 正解。糖尿病性神経障害で最も頻繁に見られるのは、遠位性対称性多発神経障害です。この病態では、足の指先から始まり、徐々に上行していく形で感覚障害が広がり、最終的に手袋や靴下を履いたような分布を示すことが特徴です。
- 5. 糖尿病性神経障害(遠位性対称性多発神経障害)では、一般的に遠位筋(手足の指など体幹から離れた部位の筋肉)に優位な筋力低下が生じます。近位筋優位の筋力低下は、多発性筋炎や一部の筋ジストロフィーなどで見られます(ただし、糖尿病性筋萎縮症では近位筋優位の筋力低下が見られることもありますが、これは一般的な糖尿病性神経障害の「特徴的な所見」としては適切ではありません)。正しくは:遠位筋優位の筋力低下選びやすい理由:筋力低下があることは正しいですが、近位筋と遠位筋の区別が曖昧な場合、誤って選んでしまうかもしれません。混同注意:多発性筋炎、筋ジストロフィー、一部の糖尿病性アミロトロフィー。
国試ポイント
糖尿病の三大合併症(神経障害、網膜症、腎症)は、理学療法士国家試験で非常に重要視されるテーマです。特に糖尿病性神経障害については、その病態生理、典型的な症状・所見(感覚障害の分布パターン)、評価方法、そして合併症である足病変の予防やケアに関する知識が頻繁に問われます。感覚障害の『手袋・靴下型』は、この疾患を特徴づける重要なキーワードとして認識しておく必要があります。
混同注意
他の末梢神経障害(例:アルコール性神経障害、ビタミン欠乏性神経障害、慢性炎症性脱髄性多発神経炎など)や、脊髄疾患(脊柱管狭窄症などによる神経根症状)との鑑別が重要です。また、近位筋優位の筋力低下は、筋疾患(多発性筋炎、筋ジストロフィーなど)と混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
もし次回同じ論点が出題された場合、感覚障害の分布パターン(手袋・靴下型、単神経障害の支配領域)だけでなく、自律神経障害による具体的な症状(起立性低血圧、排尿障害など)、深部腱反射の変化(低下・消失)、筋力低下の部位(遠位筋優位)など、他の特徴的な所見について問われる可能性があります。また、糖尿病性神経障害の合併症である足病変の評価や介入方法に関する知識も重要です。
関連知識
糖尿病性神経障害には、最も一般的な遠位性対称性多発神経障害のほか、自律神経障害(起立性低血圧、排尿障害、胃不全麻痺など)、単神経障害(動眼神経麻痺、顔面神経麻痺など)、糖尿病性筋萎縮症(アミロトロフィー)など、様々な病型があります。それぞれの特徴的な症状を理解しておくことが重要です。理学療法では、足病変の予防・ケア、バランス能力の維持、痛みの管理などが中心となります。