泌尿器の解剖について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
膀胱の排尿機能には、不随意的に尿の排出を抑制する内尿道括約筋と、随意的に排尿を制御する外尿道括約筋が関与します。内尿道括約筋は平滑筋であり、自律神経(交感神経)支配を受けて収縮することで尿道を閉じ、膀胱に尿が貯留するのを助けます。一方、外尿道括約筋は骨盤底筋群の一部であり、横紋筋から構成され、体性神経(陰部神経)支配により意識的に収縮・弛緩が可能です。したがって、膀胱括約筋の一部である内尿道括約筋が平滑筋であるという選択肢1は正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。内尿道括約筋は自律神経支配の不随意筋である平滑筋で構成されています。このため、意識的に排尿を制御する外尿道括約筋(横紋筋)とは異なり、無意識下で尿の漏れを防ぐ役割を担います。
- 2. 膀胱三角は、尿管口と内尿道口を結ぶ領域であり、膀胱の底(膀胱底部)に位置します。膀胱尖は膀胱の上部前方に位置します。正しくは:膀胱三角は膀胱の底(膀胱底部)に位置します。選びやすい理由:膀胱の解剖を漠然としか覚えていない場合、膀胱内の構造の一つとして混同しやすい可能性があります。混同注意:膀胱尖と膀胱底部、あるいは膀胱内の他の構造(ヒダなど)の位置関係
- 3. 膀胱底は膀胱の後下方に位置し、男性では直腸、女性では子宮や膣に接しています。膀胱の前面は恥骨結合に接しています。正しくは:膀胱底は膀胱の後下方に位置します。選びやすい理由:膀胱が骨盤内で前方にあるというイメージから、底も前方にあると誤解する可能性があります。混同注意:膀胱の前面と膀胱底部の位置関係
- 4. 尿管は総腸骨動脈または外腸骨動脈の前面(腹側)を横切ります。骨盤内で尿管を特定する際の重要なランドマークです。正しくは:尿管は総腸骨動脈の前面(腹側)を通過します。選びやすい理由:血管と臓器の位置関係は複雑で覚えにくいため、前後関係を逆にして覚えてしまうことがあります。混同注意:尿管と骨盤内血管(総腸骨動脈、外腸骨動脈、内腸骨動脈など)との前後関係
- 5. 尿管壁は、内側から粘膜、筋層(内縦走・中輪走・外縦走)、外膜の3層で構成されています。特に筋層は尿を膀胱へ送る蠕動運動に重要です。正しくは:尿管壁は、粘膜、筋層、外膜の3層で構成されています。選びやすい理由:基本的な臓器の壁構造として粘膜と外膜を主要なものと認識し、筋層を見落としやすい可能性があります。混同注意:消化管や他の管腔臓器の壁の層構造(例:消化管の4層構造)との混同
国試ポイント
泌尿器系の解剖学的構造と機能、特に各部位の正確な位置関係、組織の種類、血管や神経との関連性について問われます。具体的な名称と部位を正確に結びつけられるかが重要です。
混同注意
膀胱の各部の名称(膀胱尖、膀胱底、膀胱体、膀胱頸)、膀胱括約筋の種類と支配神経、尿管と周辺血管・臓器の位置関係、管腔臓器の壁の層構造。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、泌尿器系の各臓器の機能と合わせて、組織学的な特徴(例:膀胱壁の平滑筋と横紋筋の分布)や、隣接する他の臓器や血管・神経との具体的な位置関係が問われる可能性が高いです。
関連知識
排尿反射のメカニズム、自律神経・体性神経の泌尿器系への関与、骨盤内臓器の局所解剖、各種臓器の組織学的な特徴(平滑筋、横紋筋の違い)。