災害時に被災者の生活機能を中心に支援を行うチームはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
JRAT(日本リハビリテーション支援チーム)は、災害時に被災者の生活機能の低下を予防し、リハビリテーションを通じて日常生活能力の維持・向上を支援することを目的とした専門チームです。避難所での巡回や相談、生活不活発病の予防指導、身体機能の評価と改善指導、福祉用具の調整など、被災者の「生活機能」に焦点を当てた多岐にわたる支援を提供します。設問の「生活機能を中心に支援を行う」という内容に最も合致するのはJRATです。
選択肢ごとの解説
- 1. ACTは、精神疾患を抱える人が地域で生活を継続できるよう、包括的な支援を提供する地域精神医療のチームです。災害時の被災者の生活機能支援とは直接的な関係がありません。正しくは:精神疾患を持つ人々への地域生活支援です。選びやすい理由:「チームによる支援」という点で迷う可能性がありますが、対象と目的が異なります。混同注意:災害派遣医療チームと混同することはありませんが、包括的支援という点で惑わされる可能性があります。
- 2. DHEATは、災害時に地域の保健医療活動を支援し、全体を統括・調整する役割を持つチームです。保健医療体制の維持・再建が主な目的であり、個々の被災者の生活機能への直接的な介入はJRATの役割と異なります。正しくは:災害時の保健医療活動を統括・調整するチームです。選びやすい理由:「Health」という言葉から、被災者の健康全体に関わるように感じられるため、選びやすいかもしれません。混同注意:DMATやDPATと同じく「D」から始まる災害派遣チームであるため、機能の違いが曖昧だと混同しやすいです。特にDMATと混同しやすい。
- 3. DMATは、災害急性期に被災地へ迅速に赴き、医療活動を行う専門チームです。主に生命の危機に関わる外傷や疾患への医療提供が中心であり、生活機能の維持・向上を主眼とするJRATとは役割が異なります。正しくは:災害急性期に専門的な医療活動を行うチームです。選びやすい理由:最も有名な災害派遣チームであるため、反射的に選んでしまう可能性があります。混同注意:DHEATやDPATなど、他のDから始まる災害派遣チームと混同しやすいです。特に災害時の医療全般を指すと思われがちです。
- 4. DPATは、災害時に被災地の精神医療ニーズに対応するため派遣される専門チームです。精神的ケアや精神疾患の治療が主な役割であり、生活機能全般への支援を担うJRATとは専門性が異なります。正しくは:災害時に精神科医療支援を行うチームです。選びやすい理由:「精神的な健康」も生活機能の一部と捉えることで、選択肢として魅力的になるかもしれません。混同注意:DMATやDHEATと同様に「D」から始まる災害派遣チームであるため、機能の違いが曖昧だと混同しやすいです。
- 5. 正解。JRATは、災害発生後に被災地でリハビリテーション医療や生活機能支援を提供する専門チームです。避難所での生活不活発病の予防、急性期リハビリテーション、自助具の提供、福祉機器の調整など、被災者の生活機能維持・向上に特化した活動を行います。選びやすい理由:他のDから始まるチームに比べて知名度が低い場合、正答と判断しにくいかもしれません。
国試ポイント
災害時の各専門支援チームの役割を正確に理解しているかを問う問題です。特に、DMAT、DHEAT、DPAT、JRATといった名称が似ているチームの、それぞれの活動内容や専門領域の違いを把握していることが重要です。
混同注意
DMAT(災害医療)、DHEAT(保健医療調整)、DPAT(精神科医療)とJRAT(リハビリテーション・生活機能支援)は、災害という共通のテーマを持つため混同しやすいです。それぞれの専門分野と具体的な活動内容を明確に区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後も災害関連のチームについては、それぞれの役割の具体的な活動内容や、活動のフェーズ(急性期、亜急性期、慢性期)を問う問題が出題される可能性があります。また、PT、OT、STがどのチームに属し、どのような役割を果たすかといった職種ごとの関わり方も問われるかもしれません。
関連知識
・DMAT: 災害急性期医療(生命の危機に対する救命医療) ・DHEAT: 災害時の保健医療活動調整・支援(公衆衛生含む) ・DPAT: 災害時の精神科医療・精神保健支援 ・AMAT: 広域医療搬送 ・JDR(国際緊急援助隊): 海外での災害支援。医療チームも含まれる。 ・地域包括ケアシステムと連携した災害支援の考え方。