心臓について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
選択肢1の「右心房と右心室の間にある弁は三尖弁と呼ばれます」は、右房室弁が三尖弁であるという解剖学的事実を正しく述べています。選択肢5の「左冠動脈は心室中隔の前方に血液を供給します」は、左冠動脈の主要な枝である左前下行枝(LAD)が心室中隔の前方部に血液を供給するという事実を正しく述べています。したがって、1と5が正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。右心房と右心室の間には三尖弁(tricuspid valve)が位置しており、右心室から右心房への血液の逆流を防ぐ役割を担っています。
- 2. 冠静脈洞は心臓自身の血液(冠循環)が戻ってくる主要な静脈であり、右心房に開口します。正しくは:冠静脈洞は右心房へ開口しています。選びやすい理由:心臓の他の部位と混同しやすいですが、冠静脈洞は全身の静脈血が流入する右心房に合流します。混同注意:肺静脈が左心房に開口することと混同しやすいです。冠静脈洞は心臓の静脈血を集めるため、全身からの静脈血が集まる右心房に還流します。
- 3. 大動脈弁(半月弁)には腱索は付着していません。腱索は房室弁(三尖弁、僧帽弁)にのみ付着し、弁の逆転を防ぐ役割を担います。正しくは:房室弁(三尖弁、僧帽弁)には腱索が付属しています。選びやすい理由:弁膜に付着する構造として腱索はよく知られていますが、半月弁には腱索がないことを区別できていない場合に選択しやすいです。混同注意:房室弁(三尖弁、僧帽弁)に付着する腱索と、半月弁(大動脈弁、肺動脈弁)の構造を混同しています。半月弁は弁尖自体の形状と血圧差によって逆流を防ぎます。
- 4. バルサルバ洞(Valsalva洞)は、大動脈弁のすぐ上部、大動脈の起始部に位置しており、冠動脈の開口部を含んでいます。正しくは:バルサルバ洞は大動脈の起始部に位置します。選びやすい理由:大動脈と肺動脈は共に心臓から出る大きな動脈であるため、位置を混同しやすいです。混同注意:大動脈の構造と肺動脈の構造を混同しています。バルサルバ洞は冠動脈の起始部が存在するため、大動脈と密接に関連しています。
- 5. 正解。左冠動脈の主要な枝である左前下行枝(LAD)は、心室中隔の前方部と左心室の大部分に血液を供給します。特に心室中隔の前方はLADの主要な供給領域です。
国試ポイント
本問題は、心臓の基本的な解剖学的構造と血管支配に関する知識を問うものです。房室弁と半月弁の区別、冠循環の経路、主要な血管(大動脈、肺動脈)の起始部の特徴など、多岐にわたる知識が正確に理解されているかが試されます。特に、弁の名称とその位置、冠動脈の支配領域は頻出テーマです。
混同注意
心臓の弁の名称と位置(房室弁 vs 半月弁)、腱索の有無、冠循環における血管の開口部(冠静脈洞の開口先)、大血管の起始部における特殊な構造(バルサルバ洞の位置)、冠動脈の支配領域(左冠動脈 vs 右冠動脈の主な供給部位)。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、心臓の各部屋(心房・心室)と主要な血管(大動脈・肺動脈・肺静脈・大静脈)との接続関係、各弁(房室弁・半月弁)の名称と構造(腱索の有無)、冠動脈の主要な枝とその支配領域について正確に理解できているかを確認します。特に、迷いやすい心臓の構造の細部(例:冠静脈洞の開口先、バルサルバ洞の位置)に注意が必要です。
関連知識
三尖弁(右房室弁)、僧帽弁(左房室弁)、大動脈弁、肺動脈弁。冠静脈洞が右心房に開口すること。腱索と乳頭筋が房室弁にのみ付着すること。バルサルバ洞が大動脈起始部に存在し、冠動脈の開口部があること。左冠動脈(左前下行枝、回旋枝)と右冠動脈の主な支配領域。